睡眠と腰痛の間には双方向性の関係があった!

監修者京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

(c) HANK - Fotolia.com

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【記事のポイント】
1. 腰痛と睡眠の間には密接な関係性がある。
2. 腰痛の悪化と、睡眠の質の低下の間には、双方向性の関係があった。
3. 両者の関係性を断ち切るためにも、日々の生活の中に適度な運動習慣を取り入れてみることが大切。

以前、『睡眠の質の悪化』は急性腰痛を悪化させる睡眠障害(不眠症)が慢性腰痛の改善を遅らせる?!という記事でもご紹介したように、睡眠と腰痛の間には、密接な関係性があります。

しかし、睡眠の質の低下が腰痛を悪化させるのか、はたまた腰痛が睡眠に悪影響を与えるのかは、よく分かっていませんでした。

今回ご紹介する研究では、睡眠の質の低下が腰痛を悪化させ、さらに腰痛が睡眠の質を低下させるという、腰痛と睡眠との間には双方向の関係性があることが明らかとなりました。

腰痛と睡眠の間の関係性とは?

この研究では、腰痛を持つ80人の方が対象者となりました。

対象者には、以下のように腰痛や睡眠、精神面に関する調査を、1週間に渡り行いました。


■ 腰痛の痛みの程度
■ 日々の睡眠の質、時間、満足感(日記と手首装着型睡眠測定器にて調査)
■ うつ傾向や不安症などの調査する質問紙

そして、対象者間のデータを比較・解析し、日中の腰痛が当日の夜の睡眠にどのように影響するのか、また、夜の睡眠が翌日の腰痛にどのように影響するのかを調査しました。

睡眠の質が低下することで、その後の腰痛の痛みの程度が悪化していた

調査の結果、睡眠の質の低下、寝付きの悪さ、就寝後の覚醒、睡眠の満足感の低下がある方は、その後、腰痛の痛みの程度が悪化していたことが明らかとなりました。

腰痛の痛みが強いと、睡眠の質が低下していた

さらに、腰痛の痛みの程度が強い方は、その後、睡眠の質の低下、寝付きの悪さ、就寝後の覚醒、睡眠の満足感の低下を引き起こしていたことも明らかとなりました。

すなわち、睡眠の質が低下すると腰痛が悪化し、逆に腰痛が悪化しても睡眠の質が低下するという双方向の関係性が、腰痛と睡眠との間にあると考えることが出来ます。

腰痛と睡眠の悪循環から抜け出すために出来ること

今回の結果より、腰痛を持つ方は、腰痛があることで睡眠の質が低下し、さらに腰痛が悪化するという悪循環に陥る可能性も考えられます。

その対策の一つとして考えられることに「運動」があります。

過去の記事でも紹介したように、有酸素運動は腰痛に効果的ですし(「腰痛を予防するために必要な運動とは」や「軽い息切れ程度のエクササイズが”慢性腰痛”に効果的」)、適度に体を動かすことは良質な睡眠のために効果的であるとの報告もされています。

腰痛と睡眠の質の低下で悩んでいる方は、日々の生活に適度な運動から取り入れてみてはい如何でしょうか?

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:The bidirectional relationship between pain intensity and sleep disturbance/quality in patients with low back pain.
雑誌名:Clin J Pain. 2014 Sep;30(9):755-65.
[PMID:24451630 ]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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