【腰痛の寝方】腰が痛くて仰向けで寝られない方必見!改善すべき4つのポイントを徹底解説!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

(c) Andrey Popov - Fotolia.com

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【記事のポイント】
1. 仰向けで寝ると腰が痛む方は「腰を反ると痛いタイプ」のことが多い
2. 気持ちよく仰向けで寝るためのポイントは4つ
3. 仰向けでより快適に寝るためにクッションやマットレスを活用しよう

今回は「腰痛がひどくて仰向けで寝られない」、「膝を立てたり横向きになることで腰の痛みが楽になる」という方は必見の記事です。

腰痛を簡単に2つに分けると、腰を「曲げると痛くなるタイプ」と「反ると痛くなるタイプ」に分けられます。

仰向けで腰が痛む方は「腰を反ると痛いタイプ」のことが多く、今回はその原因と対策について徹底解説していきます。

そのため、「腰を曲げると痛くなるタイプ」の方は『腰痛に悩まない!低反発・高反発マットレスの選び方を徹底解説!』で、快適に眠るための対策について紹介していますのでご覧ください。

それでは、まずは仰向けになると腰が痛くなる原因についてみていきましょう。

仰向けで寝ると腰が痛くなる原因とは

「仰向けになると腰が痛くなって寝られない」
実は、その原因は腰ではなくカラダの意外な部分にあるかもしれません。

主な原因として、以下の4つが考えられます。


①股関節の前側の筋肉の硬さ
②太ももの前側の筋肉の硬さ
③腹筋の弱さ
④尻の筋肉の弱さ

なぜ、これらの筋肉が仰向けで寝た時の腰痛に関係があるのでしょうか。つづいて、その理由について詳しくみていきましょう。

原因①|股関節の前側の筋肉の硬さ

「仰向けで寝ると腰が痛くなってしまう」という方の多くは、股関節が硬くなっている場合があります。なぜ股関節が硬いと仰向けで寝にくくなるのでしょうか。

それは、股関節の前側の筋肉が硬くなることで、腰が反りやすくなるからです。

下図のように、股関節の前側についている大腰筋(だいようきん)という筋肉が硬くなると、骨盤が前に倒れて、反り腰に近い状態になります。

大腰筋

(c) Back Teck Inc.

反り腰は腰の筋肉が緊張しやすい状態であり、仰向けで寝ると下の写真の青丸で示すように隙間ができてしまいます。このせいで腰の筋肉は寝ている時も力が抜けず、筋肉が疲労することで、痛みを感じやすくなります。

仰向け

(c) Back Teck Inc.

原因②|太ももの前側の筋肉の硬さ

太ももの前側の筋肉が硬くなることでも、腰は反りやすくなります。

下の写真に示すように、太ももの前側の筋肉の中に骨盤に直接付いている筋肉があります。これが大腿直筋(だいたいちょっきん)です。この筋肉が硬くなる、もしくは短くなってしまうと骨盤が前に引っ張られ、反り腰の姿勢になりやすくなるというわけです。

大腿直筋

(c) Back Teck Inc.

原因③|腹筋の弱さ

股関節の前側の筋肉や太ももの前側の筋肉以外にも反り腰にならないために大切な筋肉があります。それはお腹の筋肉である腹筋です。

腹筋が弱いとなぜ反り腰になってしまうかというと、腹筋はお腹を支える筋肉でもあり、腹筋が弱くなるとお腹を支えられなくなってしまいます。そのため、お腹の重さによって腰が前に引っ張られ、結果的に反り腰の姿勢になってしまうというわけです。

つまり腹筋を強くする、しっかりと働かせることでお腹を支えられるようになれば腰が前に引っ張られることも少なくなり、腰の筋肉の負担を和らげることにもつながります。

その結果、反り腰の姿勢になりにくくなり、腰痛のせいで仰向けで寝られないことも少なくなっていくでしょう。

腹筋にはいくつか種類があり、特にお腹を支えるために大切な筋肉は下の写真の中でいうと腹横筋(ふくおうきん)になります。これは腰痛になったときに巻く腰痛ベルトと同じ役割を果たす筋肉であり、腰が反らないために大事な筋肉になります。

腹筋群

(c) Back Teck Inc.

原因④|尻の筋肉の弱さ

お尻の筋肉も腰が反らないようにするために大切な筋肉です。お尻の筋肉の中でも、特に大殿筋(だいでんきん)は骨盤が前に倒れないように支える役割があり、この筋肉がしっかりと働くことで反り腰を防ぐことができます。また、歩くときなどの体重を支える際にも大切な筋肉であり、この筋肉が弱いとお尻で体重を支えられなくなり、結果的に腰の負担が増えてしまいます。

大殿筋

(c) Back Teck Inc.

仰向けで気持ちよく寝るための運動4選!

ここでは、気持ちよく仰向けで寝るための対策をお伝えします。ここまで説明してきた4つの原因に応じて、以下の4つのストレッチ・エクササイズを実践してみましょう。


①股関節の前側(大腰筋)のストレッチを行う
②太ももの前側(大腿直筋)のストレッチを行う
③腹筋(腹横筋)を強くする
④お尻の筋肉(大殿筋)を強くする

①股関節の前側のストレッチ

前項でも述べたとおり、股関節の前側の筋肉が硬くなることで骨盤が前傾し、反り腰になってしまいます。股関節の前側にある筋肉のストレッチの方法は下の写真のとおりです。

腸腰筋のストレッチ

(c) Back Teck Inc.

<目的>
■股関節の前側の筋肉をストレッチする

<方法>
1.写真のように足を前後に開く
2.後ろに下げた足の股関節の前側(青丸の部分)を20~30秒伸ばす
3.両側の足を2~3セットずつ行う

<ポイント>
■ストレッチはゆっくりと息を吐きながら行う
■腰がなるべく反らないようにまっすぐに保って行う

寝る前に行うことでより効果的に仰向けで寝るときの痛みの軽減につながるかもしれません。青丸の部分が伸びていることを確認しながら、無理のない範囲で行いましょう。

②太ももの前側のストレッチ

太ももの前側にある筋肉が硬くなることで、先ほど述べた股関節の前側の筋肉と同様に骨盤を前傾し、反り腰になってしまいます。太ももの前側の筋肉のストレッチの方法は下の写真のとおりです。

大腿直筋のストレッチ

(c) Back Teck Inc.

<目的>
■太ももの前側の筋肉をストレッチする

<方法>
1. 写真のように片側の足の膝を曲げて横になる
2. 曲げた足の太ももの前側(青丸の部分)を20~30秒伸ばす
3. 両側の足を2~3セットずつ行う

<ポイント>
■ストレッチはゆっくりと息を吐きながら行う
■背中が床まで倒れない場合、後ろに手をついてゆっくりとカラダを倒していく

このストレッチも先ほどのストレッチと合わせて寝る前に行いましょう。こちらも同じくゆっくりと青丸の部分が伸びていることを確認しながら無理のない範囲で行いましょう。

③腹筋を強くする

腹筋の方法はたくさん存在しますが、腰に負担をかけずにすることが勧められるため地味な方法になります。下に写真とともに例をあげます。

腹筋運動

(c) Back Teck Inc.

<目的>
■お腹を支える腹筋を強くする

<方法>
1.仰向けで寝て、両膝を立てる
2.肩甲骨が床から離れるくらいの高さ(青丸部分が浮く程度)までカラダを起こす
3.10回程度行う

<ポイント>
■カラダを起こすときは息をゆっくりと吐きながら行い、吐き終えたらゆっくりと戻る
■できるだけ長く息を吐き続けることが大切
■カラダを起こしすぎないようにする
■両手を膝の方へ伸ばすようにして行う

上の写真は普通の腹筋に見えるかもしれませんが、方法は少し地味です。腰の負担を減らすための腹筋は、青丸で示すように背中が少し浮く程度で十分です。無理のない範囲で行ってください。

④お尻の筋肉を強くする

仰向けで寝るためにも、下の写真を参考にしていただき、しっかりお尻の筋肉を鍛えていきましょう。

大殿筋の筋トレ

(c) Back Teck Inc.


<目的>
お尻の筋肉を強くする

<方法>
1. 仰向けで寝て、両膝を立てる
2. ゆっくりとお尻を持ち上げる
3. 10回程度行う

<ポイント>
■膝をしっかりと曲げる(青丸の部分くらいが目安)
■お尻をあげる時はゆっくりと息を吐きながら行い、吐き終えたらゆっくりとおろす

この運動では、青丸のようにしっかりと膝を曲げるのがポイントです。膝の曲がりが浅いとお尻ではなく、太もも裏にきく運動に変わってしまいます。注意してください。無理のない範囲で行いましょう。

【もっと快適に寝るために】クッションやマットレスを活用しよう!

気持ちよく仰向けで寝るためにはどこを柔らかくすればいいのか、どこを強くすればいいのかご理解いただけたでしょうか。

さて、ここでは更に快適に仰向けで寝るためのポイントを、マットレスや補助具の観点から述べていきます。

ここでのポイントは2つです。


・反り腰の人には柔らかい低反発のマットレスがおすすめ!
・仰向けで寝るときに太ももの下にクッションを入れる!

反り腰の人には柔らかい低反発のマットレスがおすすめ!

マットレスを変えることで楽に寝られるかもしれません。これは反り腰の方にとって合ったマットレスがあるということです。それは低反発のマットレスです。

理由は、低反発のマットレスで仰向けで寝るとお尻が沈み、脚の付け根が曲がります。つまりマットレスによって反り腰が軽減されるからです。これによって腰の筋肉は力が抜けやすい状態となり、腰痛になりにくくなるというわけです。

ただ、マットレス自体はとても高額なものです。交換を検討する際には慎重に選ぶことをオススメします。

下記では低反発マットレスと高反発マットレスの違いについて、腰にやさしいマットレスについて書かれたものです。ぜひ、参考にしてみてみてください。

腰痛に悩まない!低反発・高反発マットレスの選び方を徹底解説!
腰にやさしいマットレスの特徴

仰向けで寝るときに太ももの下にクッションを入れる!

仰向けで寝ると腰が痛い方は、横向きで寝ると楽に寝られる方が多いです。これもポイントは股関節にあります。股関節を曲げることにより反り腰が軽減され、腰の筋肉の力が抜けることで楽になるからです。しかし、寝相などで仰向けになったときに脚をのばしてしまうと腰が反るため、だんだんと痛くなり、ひどい方であれば目が覚めてしまいます。

そこで、仰向けで寝るときに下の写真のように太ももの下(青丸の位置)にクッション(座布団などでもOK)をかましてください。クッションをかますことで股関節が曲がり、それによって腰が反りにくくなるためリラックスして寝られるようになります。

膝の下に枕

(c) Back Teck Inc.

最後に

腰痛のせいで仰向けで寝られない、寝ていると腰に痛みがでてくるという悩みを持つ方は多いと思われます。

しかし、腰痛を和らげるにはいくつかポイントがあり、運動や寝方ひとつで腰の痛みを和らげられる可能性があるということはお分りいただけたのではないでしょうか。

朝という1日の始まりで一番大切な時間を、またはカラダを休める上で大切な就寝時間をよりよい時間に変えていただければと思います。

(諸麥友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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