立ち仕事で腰が痛くならないための立ち方の工夫

立ち仕事で腰痛にならないための工夫

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【記事のポイント】
1. 長時間の立ち仕事は腰痛の原因になりうる。
2. 立ち仕事をしているとき、初めの15分がその後の腰痛に影響していた。
3. 腰が痛くなる前に小まめに姿勢を変えたり、身体を動かしておくと、腰痛予防ができるかもしれない。

ずっと立ち続けていると、腰が痛くなった経験はありませんか?

同じ作業をしているはずなのに、腰痛になる人もいれば、一方で腰痛にならない方もいます。この違いは何なのでしょうか?
今回は、長時間立ち姿勢が続いたときに、腰痛を感じた人と感じなかった人での違いに着目した研究をご紹介いたします。

2時間の立ち作業をしてもらい、腰痛の発症要因を検討

今回の対象者は18歳から35歳までの大学関係者32名で、男性が17名、女性が15名でした。

始めに、身長、体重、身体活動量のレベル、痛みの状態を確認しました。

その後、対象者には、2時間立った姿勢で両腕を机の上に置き、その姿勢のまま机の上で組み立て作業を続けてもらいました。その間、対象者を床反力計と三次元動作解析装置を用いて、足にかかる重心のかかり方や、身体の動きを観察しました。

なお、今回の実験では、下記の点に留意してもらいました。


■ 普段の様に立つこと。
■ 組み立て作業は決められた範囲内で行うこと。
■ 腕で机を傾けないようにすること。
■ 決められた範囲内(床上のしるし内)であれば、足を動かして良い。

テストの際、一定時間ごとに痛みの程度をVisual Analog Scale(VAS)にて評価しました。VASとは、10cmの直線の左端を「痛みなし」、右端を「耐えがたい痛み」とし、主観的に記してもらう一般的な検査方法です。

VASの得点が作業時間に伴って高くなっていった対象者を「痛み増大群」、VASの得点が変化しなかった対象者を「痛み変化なし群」とし、その後の解析を行いました。

最初の15分の身体を動かす程度が、その後の痛みの増大と関連

解析の結果、「痛み変化なし群」の方が、「痛み増大群」と比較して、始めの15分で身体を多く動かしていたことが明らかとなりました。

しかし、15分から2時間の間では、動かしている頻度や範囲に差がありませんでした。

重心の移動の大きさも最初の15分のみ関連

床反力計の解析結果から、最初の15分間で「痛み増大群」にて「痛み変化なし群」と比較して、重心がかかと側に位置している時間が長かったことが分かりました。

床反力計で測定した重心は、身体の重心と関連があります。

この結果より、始めの15分にて、「痛み変化なし群」の方が一定の姿勢に留まらず、重心を移動させる機会が多かったことがうかがえます。

痛くなる前から対策をしよう!

今回の研究結果より、立ち姿勢での作業をする際には、腰が痛み始める前から身体を動かしておくことで、長時間の立ち仕事をしても痛みが増大しない可能性があります。

始めの15分が、その後の腰痛に対してどのように影響を与えるのかまでは明確となっていませんが、後々の腰の痛みを予防するために、じっと同じ姿勢で過ごさず、こまめに身体を動かしてみるのも良いかもしれません

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Early static standing is associated with prolonged standing induced low back pain.
雑誌名:Hum Mov Sci. 2015 Dec;44:111-21.
[PMID: 26340276]

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