腰痛は”慢性化リスク”別の対策で治そう!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

腰痛"慢性化リスク"別の腰痛対策の効果

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【記事のポイント】
1. 腰痛の治療では、いかに慢性化を防ぐかがポイントである。
2. 腰痛の”慢性化リスク”別の対策は、腰痛による障害の程度の改善に効果的であり、コストパフォーマンスにおいても優れていた。
3. 腰痛を慢性化させず、コストパフォーマンスに優れた対策を選ぶことが重要である。

以前、たった9問で分かる!あなたの腰痛”慢性化リスク”!という記事で、腰痛の”慢性化リスク”を評価するツールとして、STarT Backスクリーニングツールというものがあるとご紹介しました。腰痛は慢性化してしまうことで、痛みや障害の程度が改善しづらくなってしまうため、いかに慢性化を防ぐかが対策のポイントになります。それでは、STarT Backスクリーニングツールで腰痛の”慢性化リスク”を評価し、それに準じた腰痛対策はどれほどの効果が認められているのでしょうか?今回ご紹介する研究では、STarT Backスクリーニングツールを適用した、“慢性化リスク”別の対策による腰痛対策は、従来の対策と比べて、腰痛に効果的であり、コストパフォーマンスにも優れていることが報告されました。

腰痛の”慢性化リスク”別の対策の効果とは?

この研究には、851名の腰痛患者が参加しました。参加者は以下の2グループにランダムに割り振られました。


■ STarT Backスクリーニングツールで腰痛の”慢性化リスク”を、低リスク、中リスク、高リスクの三段階で評価し、それに準じた腰痛治療を行ったグループ(568名)
− 低リスク:日々のからだを動かす機会を増やすようなアドバイス、腰痛に対する教育指導を実施
− 中リスク:低リスクでの内容に加え、理学療法士による治療を実施
− 高リスク:中リスクでの内容に加え、心理社会的な問題(腰痛による社会的な不安や鬱傾向など)に対する治療を実施
■ 通常の腰痛治療(理学療法士による生活指導や運動療法)を行ったグループ(283名)

また、対象者には以下の項目の測定が、治療開始時点、治療開始4ヵ月後、8ヵ月後、12ヵ月後に行われました。


■ 腰痛による障害の程度
■ 腰痛治療のコストパフォーマンス

そして、それらの結果をグループ間で比較することで、腰痛の”慢性化リスク”別の対策の効果を調査しました。

腰痛の”慢性化リスク”別の対策は腰痛を改善した

調査の結果、腰痛の”慢性化リスク”別の対策では、従来の治療と比較して、治療開始から4ヵ月後、12ヵ月後時点での、腰痛による障害の程度が大きく改善していました

腰痛の”慢性化リスク”別の対策は、コストパフォーマンスにおいても優れていた

また、腰痛の”慢性化リスク”別の対策は、従来の治療と比較して、コストパフォーマンスが優れていることが認められました。

腰痛を慢性化させず、コストパフォーマンスに優れた治療法の選択を

腰痛の治療を選ぶ基準は様々ありますが、腰痛を慢性化させないことや、コストパフォーマンスに優れていることは重要なポイントになります。今回の結果を、個人での腰痛対策にそのまま当てはめることは難しいかもしれませんが、病院や治療院でのインフォームドコンセント(医師などが治療方針について患者に対して説明し、治療方針に関しての同意を得ること)などで、腰痛治療法を決定する際に頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Comparison of stratified primary care management for low back pain with current best practice (STarT Back): a randomised controlled trial.
雑誌名:Lancet. 2011 Oct 29;378(9802):1560-71.
[PMID: 21963002]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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