腰痛が遺伝するとしても、あなたが腰痛改善のためにできること

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

腰痛と遺伝

(c) beeboys - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 慢性腰痛に遺伝が関わっている可能性がある.
2. 慢性腰痛の双子の兄弟がいる双子は慢性腰痛の再発リスクが20%上昇する(一卵性の場合は50%上昇).
3. 自分にリスクがあることを認識した上で、予防の実践を.

がん家系という言葉聞いたことはありますでしょうか?家族の中にがんになった人が複数いる場合によく使われる言葉です。
このように複数の家族がかかってしまうような病気があります。これを”家族集積性”といい、遺伝や環境の要因が関わっていると言われています。
今回ご紹介する研究では、双子の兄弟が慢性腰痛になっていると、自分自身の腰痛の慢性化・再発リスクも上昇してしまうという遺伝の関係性が明らかになりました。

双子を対象とした研究

今回の研究には、2009〜2011年の2年間に慢性的な腰痛(発症から3ヶ月以上の腰痛)を経験したスペイン人の双子624名が参加し、2013年に追跡調査が実施され、最終的に455名の双子のデータが解析されました。
2009〜2011年に双子の双方が慢性腰痛を経験していたかどうかが調査されました。
また、2013年の時点で”過去4週以内に腰痛があった者”を腰痛が回復していない者とみなしました。

一卵性双生児は腰痛の慢性化リスクが2倍以上

2009〜2011年において、双子の兄弟が慢性腰痛を有していた場合、もう一方の双子が2年後に慢性腰痛をもっている可能性が1.6倍になることが明らかとなりました。
双子は一卵性双生児(双子同士が顔がそっくりなのが特徴)と二卵性双生児(双子ではあるが、顔が似ていないのが特徴)に分けることができます。
腰痛が治っていないリスク(確率)を一卵性と二卵性で別々で見ると、一卵性においては2.5倍と高くなり、二卵性においてはリスクの上昇が認められなくなりました。

再発のリスクはさらに上昇

さらに、慢性腰痛に悩まされている双子の兄弟がいると、自身が腰痛を再発するリスクが20%上昇することが明らかとなりました。一卵性だけに限ると、腰痛の再発リスクは50%まで上昇することが明らかとなりました。

リスクを認識してできることから実践しよう!

今回の研究から、慢性腰痛の経過には遺伝的要素が関係している可能性が示されました。しかし、遺伝的要素自体を変えることはできません。
今回の研究で大切なことは、双子などの近親に慢性腰痛に悩んでいる人がいたら、自分自信の腰痛も慢性化しやすいかもしれないと、自分にリスクがあることを認識しておくことが重要です。
そのため、現在腰痛がない方は発症の予防、すでに腰痛がある方は慢性化の予防が大切になってきます。

発症予防として医学的根拠が認められているのは、運動療法というもので、簡単に表現すると『運動』です。
『腰痛を予防するために必要な運動とは』では、筋力トレーニングをするよりは、定期的な運動習慣を作ることで腰痛予防が可能であることを説明しています。さらに、この腰痛は普段の生活や仕事での負担の蓄積が、体に症状として現れますので、生活習慣病の一部としても捉えることができます。『どのような生活習慣が腰痛に関わるのか!?』で説明しているように、生活習慣を見直すことで、腰痛予防をすることが可能になりますので、まずは、生活習慣の見直しからしてみてはいかがでしょうか。

一方で、すでに腰痛があり慢性化を予防したい方は、ヨガピラティスビタミンDの摂取などが重症化予防として有効であることが明らかになっていますので、自身のライフスタイルに取り入れやすいものから、実践していくことをお勧めします。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Does Familial Aggregation of Chronic Low Back Pain Impact on Recovery? A Population-Based Twin Study.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2017 Jan 16.
[PMID: 28098741]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

あなたにあった腰痛予防があります!

腰痛予防マニュアル
無料ダウンロード 

腰痛といっても、人によってその原因も違えば、対策も変わってきます。その中でも特に職業は腰痛と密接な関係があります。そのため、職業ごとに適した対策をしていくことが重要となります。

  • デスクワークが多い人
  • 肉体労働が多い人
  • 立ち仕事が多い人
  • 運転をすることが多い人

それぞれの職業に合った対策を凝縮した『腰痛予防マニュアル』を早速ダウンロードして、今日から腰痛対策をはじめてみませんか?

メールアドレス



SNSで購読

こちらも読まれています