ビタミンD欠乏と腰痛の関係 ー29の研究をまとめた最新の知見からー

山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

ビタミンDと腰痛

(c) Robert Kneschke - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 今までビタミンDと腰痛との関連は言われていたが、一般的なのかどうかは不明だった。
2. 29の論文をまとめた結果、ビタミンDは腰痛と関係していることが明らかとなった。
3. 食事や飲料水からビタミンDを摂取したり、日光に当たってみよう。

ビタミンDは”カルシウム”とともに骨の形成を行うことが知られており、骨折や骨がもろくなる骨そしょう症の予防にも重要であると言われています。また、「慢性的な腰痛は、ビタミンDを摂取することで改善するのか!?」でもご紹介したように、ビタミンDが慢性腰痛の痛みや、慢性腰痛による日常生活障害の改善に効果的であることが言われています。

しかしながら、今までのビタミンDと腰痛の強さとの関連を検証した報告は限られており、これらの結果がどこまで一般的なのかどうかは不明なままでした。

今回ご紹介する報告では、過去に行われた29の研究結果をまとめた結果、ビタミンDと腰痛に関係があったことを明らかにしました。

過去の文献をまとめて検証

今回の研究では過去の報告を6つの論文検索サイトで検索し、105の論文から質的に良いと判断した29論文が条件を満たし、解析に使用されました。

論文の質的判断はチェックリストを用いて、2人の研究者が別々に行いました。なお、腰痛の種類や期間、患者の年齢、性別にによる制限はせずに調査を行いました。

ビタミンDがないと腰痛リスクが1.6倍!

過去の論文29本中19の報告をまとめた結果、ビタミンDが欠乏していると腰痛リスクが1.6倍上昇することが明らかとなりました。

また、ビタミンDが”極端に”足りていないと、腰痛リスクが2.08倍まで上昇することが分かりました。

60歳未満の人には強い関連が!

60歳以上の高年層と60歳未満の若年層に分けて解析をしたところ、若年でビタミンDが足りないと腰痛のリスクが1.93倍になることが分かりました。

高年層では統計学的には、腰痛との関連はありませんでした。この結果には、もしかしたらビタミンD欠乏とは別の要因(ヘルニアなど)が腰痛に影響しているのかもしれません。

特に女性は注意を!

更なる検証の結果、男性における血液中のビタミンDと腰痛との間に関連はありませんでしたが、女性の場合は1.83倍になることが分かりました。

特に若年(60歳未満)の女性では、ビタミンDが足りないと腰痛のリスクが2.91倍になることが明らかとなりました。「女性のホルモンバランスと慢性腰痛の関係」でもご紹介したように、女性のホルモンバランスと腰痛が関連していることが影響しているのかもしれません。

意識的にビタミンDを摂取してみよう

今回の報告から、ビタミンDと腰痛との関連が明らかとなりました。また、この関連は若年の女性で強くみられました。しかしながら、「腰痛と関わるビタミンを摂取できる食材とは!?」でお伝えしたように、閉経後の女性の中でビタミンDが不足している方は、他の方に比べて腰痛を発症する危険性が高いことも言われていますので、高齢の女性も注意が必要です。

今回の著者らによると、ビタミンDは体に炎症を起こす物質や、痛みを感じる神経の興奮を調節する作用があるため、このような結果が得られたのではないかと述べています。

今回着目したビタミンDは、日光に当たることで体内で合成することが出来るとされています。また、きくらげや魚といった食材やサプリメント、飲料水から摂取する方法もあります。なお、どのくらいビタミンDを摂取したら良いのかについては、今回の研究結果から導き出すことはできませんでしたので、この点に関してはさらなる研究が必要となります。

さらに、「腰痛に効くおすすめの飲み物とは?」でご紹介したようにビタミンCも腰痛には良いと言われていますので、併せて摂取できたらいいですね。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Mapping the Association between Vitamin D and Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies.
雑誌名:Pain Physician. 2017 Nov;20(7):611-640.
[PMID: 29149142]

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