慢性腰痛に対するヨガの効果は理学療法に劣らないことが判明!

ヨガの効果が理学療法に劣らないことが判明

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【記事のポイント】
1.  慢性腰痛に対する治療法はさまざまである。
2. ヨガの慢性腰痛に対する効果は、標準的腰痛治療である理学療法に劣らないことが分かった。
3. ヨガも慢性腰痛治療の候補の一つとして良いかもしれない。

ヨガは、古代インドに発祥し、ポーズ、呼吸法、瞑想など、様々な要素を取り入れている身心鍛錬法の一つであり、日本においても、特に女性の間で流行っています。

これまでヨガの慢性腰痛に対する効果は示されてきましたが、標準的な腰痛治療として受け入れられている理学療法(理学療法士が患者に合わせて個別で行うストレッチやトレーニング等の治療をさす)と比べて、どの程度有効かどうかは分かっていませんでした。

そんな中、ボストン大学医学部がアメリカでヨガと理学療法の効果を比較した研究がAnnals of Internal Medicineという有名医学ジャーナルに掲載されましたので、ご紹介いたします。

ヨガ vs 理学療法 vs 本・ニュースレターによる自己学習

今回は、18歳から64歳までの低所得者層(経済的に困難のある人のためのセーフティネット病院や地域センターで募集)に位置し、慢性腰痛(12週以上続く腰痛)を有している320人が参加しました。なお、この研究で、低所得者層を対象にしたのは、経済的理由で理学療法を受けることのできない人の治療として比較的気軽にできるヨガが代替手段になるかを検証するためです。

参加者は、以下の3グループにランダムに分類されました。


■ 専門家のもとでヨガを12回行う群(ヨガ群:127名):1回あたり75分。
■ 理学療法を15回行う群(理学療法群:129名):1回あたり60分。
■ 本・ニュースレターによる自己学習を行う群(自己学習群:64名)

なお、ヨガ群と理学療法群においても、自己学習を行ってもらいました。

効果の評価として、腰痛による日常生活への支障度、腰痛の程度、鎮痛剤(痛み止め)の使用の有無が調査されました。

なお、調査開始から6週、12週、26週、40週、および52週にアンケートを回収し、介入後の経過を確認しました。

ヨガと理学療法の効果に差はなかった

介入の結果、腰痛やそれによる日常生活の支障度の改善効果において、ヨガは理学療法に対して劣っていないことが示されました。

さらに介入後1年間の経過の点から考えても、ヨガは理学療法に劣っていないことが分かりました。

また、今回の研究で重要な改善レベル(腰痛による日常生活の支障度がもとの状態より30%改善)を呈した割合は、ヨガ群で48%, 理学療法群で37.2%であり、自己学習群の23.0%と比べて、改善割合が明らかに高かったことがわかりました。

ヨガと理学療法の群では鎮痛剤の使用が減っていた!

また自己学習群と比較して、ヨガ、または理学療法を行った群では鎮痛剤(痛み止め)の使用が減っていたことが明らかとなりました。

ただ、自己学習群と比べると…

しかし、ヨガや理学療法は自己学習と比較して優れているという結果は得られませんでした

この一つの原因として、ヨガと理学療法のセッションに十分に参加した人の割合が、36%、46%と低かったことが考えられるため、一概にヨガや理学療法が自己学習と比べて、効果が低いと結論づけることはできないでしょう。

結局どっちを選べば良いの?

今回の報告では、ヨガと標準的な腰痛治療として知られる理学療法の治療効果に差がないことが示されました。

今回の研究結果はアメリカで行われたものであり、日本人にそのまま適応できるわけではありませんが、腰痛対策に様々な種類がある中で、整形外科で受ける外来理学療法だけでなく、ヨガというのも一つの選択肢としてあっても良いかもしれません。

また、中にはヨガや理学療法で腰痛が改善しないというケースもあります。大切なのは、自分の好みや、やりやすさ、コスト面などを考慮して、自分に合った腰痛対策を見つけることです。それでも何をしたら良いのか分からないという方は、一度専門家の意見を聞いてみましょう。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Yoga, Physical Therapy, or Education for Chronic Low Back Pain: A Randomized Noninferiority Trial.
雑誌名:Ann Intern Med. 2017 Jul 18;167(2):85-94.
[PMID: 28631003]

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