腰痛に対する抗うつ薬”サインバルタ”の効果とは!?

痛み止めの腰痛に対する効果

(c)cassis- Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 日本において、抗うつ薬の一つであるサインバルタが慢性腰痛の薬として承認された.
2. サインバルタは慢性腰痛を改善した.
3. 副作用が多くあるため、医師や薬剤師と相談の上で服薬を検討しよう.

腰の痛みがひどい場合、日本においては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンという薬が多く処方されます。
しかし、これらの薬では十分な効果が得られない方も多くいます。『解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンは腰痛に効果的か』で説明したように、アセトアミノフェンの効果を偽薬(ニセモノの薬)と比較しても、改善効果はあるものの、医学統計上、偽薬と明らかな効果の差があるとは言い切れていないことからも、効果が認められる人と認められにくい人がいることは予想がつきます。
そこで2016年3月に日本において慢性腰痛に対する薬として、サインバルタ(一般名:デュロキセチン)が追加されました。
このサインバルタという薬はうつ病や、線維筋痛症、糖尿病性神経障害というような病気などに使用されています。
今回は新たに慢性腰痛への適応が承認されたサインバルタの効果や副作用についてご紹介します。

サインバルタの慢性腰痛に対する効果を検証

今回の研究には、NSAIDsによる効果が十分に得られていなかった日本人慢性腰痛患者458人が参加し、以下の2グループにランダムに割り振られました。

・サインバルタ60mgを1日1回服用するグループ:232人
・偽薬を服用するグループ(服薬方法は同じ):226人

14週間にわたって服用してもらい、前後での慢性腰痛の改善度が偽薬のグループと比べて優れているかどうか検証されました。

慢性腰痛を大きく改善

研究の結果、サインバルタは、偽薬よりも、腰の痛みや腰痛による日常生活の制限などを大きく改善することが明らかとなりました。

副作用に注意!

副作用としては、眠気、便秘、吐き気、めまい、口渇が出現することが明らかとなりました。
これらの副作用の症状のほとんどは重度なものではなく、改善が見られました。
今回のみられた副作用以外にも、自殺企図や攻撃性の高まり、尿失禁などの副作用も懸念されており、使用する際には細心の注意を要するでしょう。

医師や薬剤師と相談のうえ検討を

今回の研究により、サインバルタが慢性腰痛の痛みや日常生活の制限を改善することが明らかとなりました。
しかし、クスリにはリスク(副作用)がつきものです。自分にどんな薬が適しているのかを医師や薬剤師と十分に相談の上、決めていくのが良いでしょう。
また、慢性腰痛は運動による改善が見込めるため、薬にずっと頼るのではなく、薬でからだを動かしやすくして、運動をすることによって慢性腰痛から脱却するのがいいかもしれません。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Phase III Trial of Duloxetine Monotherapy in Japanese Patients With Chronic Low Back Pain.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2016 Nov 15;41(22):1709-1717.
[PMID: 27831985]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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腰痛に対する抗うつ薬”サインバルタ”の効果とは!?

【記事のポイント】
1. 日本において、抗うつ薬の一つであるサインバルタが慢性腰痛の薬として承認された.
2. サインバルタは慢性腰痛を改善した.
3. 副作用が多くあるため、医師や薬剤師と相談の上で服薬を検討しよう.

腰の痛みがひどい場合、日本においては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンという薬が多く処方されます。
しかし、これらの薬では十分な効果が得られない方も多くいます。『解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンは腰痛に効果的か』で説明したように、アセトアミノフェンの効果を偽薬(ニセモノの薬)と比較しても、改善効果はあるものの、医学統計上、偽薬と明らかな効果の差があるとは言い切れていないことからも、効果が認められる人と認められにくい人がいることは予想がつきます。
そこで2016年3月に日本において慢性腰痛に対する薬として、サインバルタ(一般名:デュロキセチン)が追加されました。
このサインバルタという薬はうつ病や、線維筋痛症、糖尿病性神経障害というような病気などに使用されています。
今回は新たに慢性腰痛への適応が承認されたサインバルタの効果や副作用についてご紹介します。

サインバルタの慢性腰痛に対する効果を検証


今回の研究には、NSAIDsによる効果が十分に得られていなかった日本人慢性腰痛患者458人が参加し、以下の2グループにランダムに割り振られました。

・サインバルタ60mgを1日1回服用するグループ:232人
・偽薬を服用するグループ(服薬方法は同じ):226人


14週間にわたって服用してもらい、前後での慢性腰痛の改善度が偽薬のグループと比べて優れているかどうか検証されました。

慢性腰痛を大きく改善


研究の結果、サインバルタは、偽薬よりも、腰の痛みや腰痛による日常生活の制限などを大きく改善することが明らかとなりました。

副作用に注意!


副作用としては、眠気、便秘、吐き気、めまい、口渇が出現することが明らかとなりました。
これらの副作用の症状のほとんどは重度なものではなく、改善が見られました。
今回のみられた副作用以外にも、自殺企図や攻撃性の高まり、尿失禁などの副作用も懸念されており、使用する際には細心の注意を要するでしょう。

医師や薬剤師と相談のうえ検討を


今回の研究により、サインバルタが慢性腰痛の痛みや日常生活の制限を改善することが明らかとなりました。
しかし、クスリにはリスク(副作用)がつきものです。自分にどんな薬が適しているのかを医師や薬剤師と十分に相談の上、決めていくのが良いでしょう。
また、慢性腰痛は運動による改善が見込めるため、薬にずっと頼るのではなく、薬でからだを動かしやすくして、運動をすることによって慢性腰痛から脱却するのがいいかもしれません。

(坪井大和)






▼参考文献
タイトル:Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Phase III Trial of Duloxetine Monotherapy in Japanese Patients With Chronic Low Back Pain.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2016 Nov 15;41(22):1709-1717.
[PMID: 27831985]


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