65歳以上の高齢者に見られる腰痛の特徴とは?

山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

高齢者の腰痛に見られる特徴

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【記事のポイント】
1.年をとるごとに腰椎圧迫骨折などの疾患になりやすい。
2.若年者や中年者の腰痛と比較して、高齢者の腰痛の特徴は統計学的にわずかに異なっていることが示された。
3.高齢による腰痛を予防するには有酸素運動を中心とした運動習慣が大切である。

よく町に出かけると、腰の丸まった高齢者の方を目にすることがあるかと思います。一方、若い人の腰は丸まってはいません。このように、一口に腰痛と言っても、高齢者と若い人の腰痛には様々な違いがありそうです。これらの違いを知ることで、腰痛の対策にも違いが出て来ます。そこで今回は、高齢者と若年者・中年者との腰痛の違いを検証した研究をご紹介します。

年代別での腰痛の特徴を比較

今回の報告では、全体で14,479名の方を対象としました。それぞれの内訳は以下の通りです。


■ 若年者群(17~44歳): 5321名(37%)
■ 中年者群(44~65歳): 6071名(42%)
■ 高齢者群(65歳~)  : 3087名(21%)

今回のデータは,日々のクリニックの診療で定期的に得られたものを使用しました。

対象者には自己回答式のアンケートに回答してもらいました。回答いただいたアンケートの項目のうち,10の特徴について解析を行いました。

また、腰の痛みの程度と腰痛による日常生活の制限については、1年後に再調査しました。

歳をとってからの腰痛は今よりしんどいの??

アンケート調査の結果から、若年・中年者と比較した場合、高齢者の腰痛の特徴として、女性に多く、腰痛の頻度は低く、あしにしびれがあり、うつ症状を合併しており、過去の腰痛歴があり、お尻の痛みがあることが分かりました。

1年後の特徴は??

1年後において、高齢者と、若・中年者との間で腰の痛みに差はありませんでした。しかし、腰椎圧迫骨折や脊柱管狭窄症などの疾患に関連した下肢症状(しびれ等)は、高齢者の方において、より顕著に認めました。

歳をとるまえに始めたいこと

今回の報告では統計学的に若干の差を認めていますが、医学的にはそれほど大きな差は無いという結果でした。しかし、高齢者の腰痛が若・中年者の腰痛と異なることを示すには、さらなる研究が必要であると調査を実施した研究グループは述べています。

以前ご紹介しました「腰痛を予防するために必要な運動とは」は高齢者を対象とした報告であり、筋力よりも運動習慣が大切であることが示されています。加齢に関連した腰痛を予防するために、まずは簡単な有酸素運動から始めてみてはいかがでしょうか

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Do older adults with chronic low back pain differ from younger adults in regards to baseline characteristics and prognosis?
雑誌名:Eur J Pain. 2017 Mar 14. doi: 10.1002/ejp.989.
[PMID: 28295893]

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