疲れがたまると目が痙攣する方必見!!その理由を徹底解説

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター梶原 文規 / 理学療法士/ 修士号(保健医療学)/ 呼吸療法認定士/ 健康予防管理専門士

(c) fizkes - Adobe Stock

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【記事のポイント】
1. 目の痙攣には3つの種類(眼瞼ミオキミア、顔面痙攣、眼瞼痙攣)がある。
2. 目の痙攣の原因はストレスや疲労であることが多く、ストレス対策が重要である。
3. ストレスや疲労対策をしても改善しない場合は、受診をして治療をした方が良い。

疲れた時に、目の周りがピクピクすることはありませんか?このピクピクする現象は「痙攣(けいれん)」と言われています。痙攣とは、自分の意思でなく筋肉が勝手に縮むことをいいます。

痙攣により目の周りがピクッとしたり、目が開けにくくなったりします。この記事では、そんな目の痙攣の原因と対策についてご紹介していきますので、お悩みの方はぜひご参照ください。

目の痙攣には3つの種類がある!

目の痙攣は誰でも起こりうる症状です。目の痙攣の種類には、大きく分けて以下の3つがありますが、そのうちの多くが睡眠不足や目の疲れなどをきっかけに生じる「眼瞼(がんけん)ミオキミア」と呼ばれるものです(参考文献①、②)。

目の痙攣

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次に、眼瞼ミオキミア、顔面痙攣、眼瞼痙攣の各々の原因と対策について、詳しく見ていきましょう。

最も一般的なのは眼瞼ミオキミア

眼瞼ミオキミアは、上下のまぶたの一部がピクピクと動く状態が通常片側に起こります。健康な人でも目が疲れたり、睡眠不足が続くと生じることがあり、重大な病気に繋がることは少なく、数日から数週間で治ります(参考文献③)。

もし、症状が目だけではなく口や首に及ぶ場合や、数週間たっても症状が改善しない場合には、適切な治療が必要なため、眼科もしくは神経内科を受診するのがよいでしょう。

眼瞼ミオキミアの原因

眼瞼ミオキミアの主な原因には、以下の3つが挙げられます。


■ パソコン作業などによる目の疲れ
■ ストレス
■ 睡眠不足

眼瞼ミオキミアの対策

眼瞼ミオキミアの対策は、基本的には原因となるストレスや睡眠不足への対処が重要となります。

①運動

有酸素運動などの運動は、ストレスと関連が強い不安症状を減らす効果が期待できることがわかっています(参考文献④)。また、ヨガや太極拳などの運動も、ストレスの解消に効果的であることが過去の研究から明らかになっています(参考文献⑤、⑥)。ストレス対策だけでなく、ウォーキングなどの運動は頭痛、腰痛などの体の痛みを和らげる効果が期待できるため、まずは気軽にできる運動(通勤時にエレベーターではなく階段を使うなど)から始めると良いでしょう。

(参考)
片頭痛に対する有酸素運動の効果 ー最新の知見からー
慢性腰痛に対する有酸素運動や筋力トレーニングの効果|6つの研究の知見から

②マインドフルネス

マインドフルネスとは、過去や未来に思いをめぐらせることなく、その瞬間、目の前にある物事や自らの考えや気持ちに集中して注意を向ける取り組みのことです。

マインドフルネスの方法7選を学んで、腰痛を改善しよう!」では、近年、ストレスと向き合う方法として注目されているマインドフルネスの方法を紹介していますので、ご参照ください(記事は腰痛の方向けに書かれていますが、目の疲れに読み替えていただけると良いかと思います)。

③睡眠

睡眠は、体の疲れだけではなく精神的な疲れを和らげる働きがあります。一度、ご自身の睡眠の量や質について見直してみると良いでしょう。

理想的な睡眠時間は、7時間くらいと言われています。しかし、必要な睡眠時間は人によって異なり、また年齢によっても変わりますので「日中に眠気があるか」などを目安に、ご自身に最適な時間を把握するのが良いでしょう(参考文献⑦)。
眠れない原因は、運動不足、精神ストレス、不健康が強く影響しています。これらへの対応が睡眠障害の対応につながると考えられます(参考文献⑧)。

また、体温が徐々に下がることで眠くなるため、良い睡眠を得るためには、お湯の温度は40~42.5度で、寝る前の1-2時間前に入浴をする事が良いと言われています(参考文献⑨)。

続いて、眼瞼ミオキミアに比べると一般的ではありませんが、発症すると適切な治療が必要となる可能性が高い、顔面痙攣と眼瞼痙攣について説明します。

目だけではなく口や首も動く顔面痙攣

顔面痙攣の多くは片側に起こるため、片側性顔面痙攣とも呼ばれており、顔の左側に起こることが多いと言われています(参考文献⑩)。また、海外の報告では中年(40-79歳)の女性に多いことが分かっています(参考文献⑪)。

顔面痙攣の原因

首から顔面にかけて走っている神経(顔面神経)が、血管により圧迫されて痙攣が起こるという説がありますが、明確な原因については今のところ解明されていません(参考文献①)。症状を悪化させる要因としては、ストレス、疲労などが挙げられます(参考文献⑫)。

顔面痙攣の対策・治療

以下に顔面痙攣の治療をいくつか紹介しますのでご参考にして下さい。

①ストレス対策

顔面痙攣もストレスが原因で起こることがありますので、ストレスを溜めないような生活を心がけることと、眼瞼ミオキミアで説明した対策を行うと良いでしょう。

(参考)
ストレスは頭痛の原因のひとつ!根拠に基づいて適切に対処しよう

②内服薬(飲む薬)

顔面痙攣に対する内服薬による効果は乏しいと言われていますが、注射や手術を望まない方、もしくはそれらが適応でない方が適応となります。

③ボツリヌス注射

痙攣を生じている筋への注射をすることで、筋肉のこわばりやつっぱりを軽減するものです。その効果の持続は3~4 ヵ月とされています。

④神経血管減圧療法

麻酔をして神経を圧迫している血管を除去する手術です。顔面痙攣の治療として、有効な方法のひとつと言われています(参考文献①)。

脳の病気で起こる眼瞼痙攣

眼瞼痙攣は目の周りの筋肉(眼輪筋)の収縮によって起こる痙攣のことです。多くの方は40代以降に発症し、女性に多いと言われています(参考文献⑬ )。

眼瞼痙攣の原因

眼瞼痙攣には、原因の特定できない場合と、背景に原因となる病気がある場合がありますが、多くの場合は原因不明と言われています(参考文献②)。

①原因が特定できない場合

原因が不明な場合を本態性(ほんたいせい)と言います。この場合はストレスや疲労が背景にあるのかもしれません。

②病気が原因の場合

病気が原因の場合を症候性(しょうこうせい)と言います。
次に挙げたような病気が背景にあることがあります。


■ジストニア:大脳基底核の障害によって筋肉が無意識に硬くなる病気
■パーキンソン病:脳の障害によって、手の震えや動きが悪くなる病気(参考文献⑭)
■うつ病、自律神経失調症
■ドライアイ:涙が不足し目が傷つく病気(参考文献⑮)

③薬の副作用の場合(薬物性)

抗精神薬や睡眠導入薬の副作用により、眼瞼痙攣の症状が現れる場合があります。

眼瞼痙攣の治療

以下に眼瞼痙攣の治療をいくつか紹介しますのでご参考にして下さい。

①内服薬


■抗痙攣(てんかん)薬
■抗コリン薬:パーキンソン病の震えに対して使われることが多い薬
■抗不安薬
■抗痙縮薬
■選択的セロトニン再取り込み阻害薬:抗うつ薬として使われている薬

②原因となる病気の治療

目の痙攣の原因となっているジストニア等の病気に対する治療。

③ボツリヌス注射

筋肉のこわばりやつっぱりを和らげる効果が見込まれる治療として最初に選択されることが多い治療(参考文献⑯)。

症状がひどい時や長く続く時は無理せず受診しよう

ここまで目の痙攣の原因やその治療について説明をしてきました。
原因となるストレスや疲労を取り除いても症状がひどい場合は放置しておかず、まずは受診すると安心ですね。受診する場合、診療科は眼科か神経内科が良いでしょう。最近は、パソコンやスマートフォン使用によって目の不調を感じるひとが増えてきてるため、目の症状に関する知識と対策は身につけておくと良いかもしれません。

(梶原文規)

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▼ 参考文献①
タイトル:日本神経治療学会.標準的神経治療:片側顔面痙攣
URL:https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/keiren.pdf
▼ 参考文献②
タイトル:日本眼科学会
URL:http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_keiren.jsp
▼ 参考文献③
タイトル:Chronic myokymia limited to the eyelid is a benign condition.
雑誌名:J Neuroophthalmol. 2004 Dec;24(4):290-2.
[PMID: 15662242]
▼ 参考文献④
タイトル:An examination of the anxiolytic effects of exercise for people with anxiety and stress-related disorders: A meta-analysis.
雑誌名:Psychiatry Res. 2017 Mar;249:102-108. doi: 10.1016/j.psychres.2016.12.020. Epub 2017 Jan 6.
[PMID: 28088704]
▼ 参考文献⑤
タイトル:Effect of a 16-week Bikram yoga program on perceived stress, self-efficacy and health-related quality of life in stressed and sedentary adults: A randomised controlled trial.
雑誌名:J Sci Med Sport. 2018 Apr;21(4):352-357. doi: 10.1016/j.jsams.2017.08.006. Epub 2017 Aug 24.
[PMID: 28866110]
▼ 参考文献⑥
タイトル:The Effects of Twelve Weeks of Tai Chi Practice on Anxiety in Stressed But Healthy People Compared to Exercise and Wait-List Groups-A Randomized Controlled Trial.
雑誌名:J Clin Psychol. 2018 Jan;74(1):83-92. doi: 10.1002/jclp.22482. Epub 2017 Jun 13.
[PMID: 28608523 ]
▼ 参考文献⑦
タイトル:厚生労働省健康局. 健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
▼ 参考文献⑧
タイトル:An epidemiological study of insomnia among the Japanese general population.
雑誌名:Sleep. 2000 Feb 1;23(1):41-7.
[PMID: 10678464]
▼ 参考文献⑨
タイトル:Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis.
雑誌名:Sleep Med Rev. 2019 Aug;46:124-135. doi: 10.1016/j.smrv.2019.04.008. Epub 2019 Apr 19.
[PMID: 31102877]
▼ 参考文献⑩
タイトル:Hemifacial spasm: clinical findings and treatment.
雑誌名:Muscle Nerve. 1998 Dec;21(12):1740-7.
[PMID: 9843077]
▼ 参考文献⑪
タイトル:Hemifacial spasm in Rochester and Olmsted County, Minnesota, 1960 to 1984.
雑誌名:Arch Neurol. 1990 Nov;47(11):1233-4.
[PMID: 2241620]
▼ 参考文献⑫
タイトル:[Clinical aspects and treatment of 95 patients with hemifacial spasm].
雑誌名:Harefuah. 2002 Mar;141(3):239-41, 315.
[PMID: 11944214]
▼ 参考文献⑬
タイトル:Clinical features of patients with blepharospasm: a report of 240 patients.
雑誌名:Eur J Neurol. 2011 Mar;18(3):382-6. doi: 10.1111/j.1468-1331.2010.03161.x.
[PMID: 20649903]
▼ 参考文献⑭
タイトル:Development of Parkinson’s disease in patients with blepharospasm.
雑誌名:Mov Disord. 2004 Sep;19(9):1069-1072.
[PMID: 15372598]
▼ 参考文献⑮
タイトル:Development of Parkinson’s disease in patients with blepharospasm.
雑誌名:Mov Disord. 2004 Sep;19(9):1069-1072.
[PMID: 9274405]
▼ 参考文献⑯
タイトル:眼瞼痙攣診療ガイドライン
URL:http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/keiren.pdf

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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