常夜灯をつけたまま寝ると目の疲れを増大させる可能性がある!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター小武 悠 / 理学療法士

(c) ふわしん - Adobe Stock

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【記事のポイント】
1. 睡眠中の照明は、薄暗いものであっても目の疲れを増加させる可能性がある。
2. 睡眠中は、出来るだけ照明器具は切って周囲を暗くするようにしよう。
3. 外からの光が差し込む場合は、アイマスクや遮光カーテンを利用しよう。

今回の記事では、目の疲れに悩んでいて、かつ、常夜灯(薄暗い電気)をつけて寝ている方は必見の内容です。

2018年に「睡眠中に、少し暗めの照明をつけっぱなしにしておくと、目にどのような影響を及ぼすのか?」ということについて調査した論文が発表されました。

この論文の内容をもとに、常夜灯と目の疲れの意外な関係を見ていきましょう。

男女60名に”真っ暗”と”薄明かり”の2つの条件で眠ってもらった

今回の研究には、目に病気のない19歳から29歳までの健康な男女60名が参加しました。この60名は、大学の検査室で3泊4日の睡眠の検査を行いました。

なお、明るさの条件は、次の通りでした。


■ 1泊目・2泊目:真っ暗
■ 3泊目:5ルクスもしくは10ルクスの薄明かり

「ルクス」とは、光の明るさを表す単位です。今回、実験で用いた5ルクスもしくは10ルクスは、だいたい、照明器具についている豆電球(常夜灯)くらいの薄暗い明かりを指しています。

この、「5ルクス」もしくは「10ルクス」の条件には、ランダムに30名ずつ振り分けられました。そして、毎朝7時に、目の疲れ具合や視力、涙の分泌状態などのチェックを行いました。

なお、参加者は、日中は、今回の実験結果に影響を及ぼしかねない「昼寝」「激しい運動」「アルコール、カフェインの摂取」などは控えるように指示されていました。

薄明かりでの睡眠では目の疲れが増加

最初に研究に参加した60名のうち、54名が3泊4日の研究を最後まで終えました。

この参加者から得られたデータを詳しく解析すると、“真っ暗”な中での睡眠と比べて、”薄明かり(5もしくは10ルクス)”での睡眠のあとは、次のような特徴があることがわかりました。


薄明かりをつけた状態で眠った翌朝は、
① 目の表面にある膜(結膜)の
充血が増加
② 目の表面を覆う涙の膜の安定性が低下
③ まばたきの頻度が増加
④ 主観的な目の疲れ感が増加

以上の結果から、真っ暗な状態と比べると、薄明かりの下での睡眠は、目の疲労を増加させる可能性があることがわかりました。

なお、「5ルクス」と「10ルクス」の条件の間での目の症状の違いは、参加者の数が少なかったこともあり、今回の研究では、はっきりとは分かりませんでした。

寝るときは出来るだけ周囲を暗くしよう

今回、紹介したように、睡眠中の明かりは、たとえ薄暗いものであったとしても、目の疲労を増加させる可能性があるため、寝るときは出来るだけ照明器具を切るようにするのがよいでしょう。

「真っ暗な状況では落ち着かない」という方は、もし、電球の明るさが調整可能であれば、暗めに設定するのが良いでしょう。また、調整が難しい方は、現在使っている常夜灯の変わりに、もう少し暗めの間接照明を利用するのが良いかもしれません。

また、どうしても外からの光が入り込む場合には、アイマスクや遮光カーテンなどの利用を検討してみても良いかもしれません。

今回の研究を解釈するときの注意点

今回の研究を解釈する時に注意するべきことがあります。それは、今回の研究に参加した60名の人たちの特徴が不明確な点です。年齢、性別の情報はありますが、それ以外の重要な情報として、そもそも労働者なのか学生なのか、労働者ならデスクワーカーなのかなどの情報は分かりません。そのため、今回の結果がそれらの要因によって引き起こされた可能性もありますし、今回の結果が自分に当てはまるかどうかも年齢、性別以外からは判断できません。そのため、今回の研究結果は、あくまでも参考にとどめ、ご自身の目の疲れの症状や普段の生活を振り返ってみて、自分に当てはまるか考えてみるのがよいでしょう。

また、目の疲れにお悩みの方に向けて、「すき間時間にできる目のマッサージで目の疲れを解消しよう!」では、簡単にできるマッサージもご紹介していますので、ぜひ、こちらもご覧ください。

(小武悠)


▼ 参考文献①
タイトル:Effect of Ambient Light Exposure on Ocular Fatigue during Sleep.
雑誌名:J Korean Med Sci. 2018 Aug 17;33(38)
[PMID: 30224909]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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