【意外と知らない】あなたの頭痛の原因とは?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター松井洸 / 理学療法士

頭痛

(c) kei907 - Fotolia.com

【記事のポイント】
頭痛は、明らかな原因のない頭痛(一次性頭痛)と病気や外傷に伴う頭痛(二次性頭痛)に分けられる
一次性頭痛は、片頭痛(へんずつう)、緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)、群発頭痛(ぐんぱつずつう)に分けられる
二次性頭痛に当てはまる可能性のある場合は速やかに病院を受診しよう

日本国内で見ると、頭痛に悩まされている方は腰痛や肩こりと同じくらい多い症状の1つです。

平成28年に国民生活基礎調査によると、男女合わせて約700万人もの方が頭痛を感じており、特に女性では500万人もの方が頭痛を感じています。(参考文献①)

多くの方が、なんとか頭痛を改善させたいと思っているのではないでしょうか。

頭痛の原因は様々で、それによって対策方法も異なります。そのため、まずはご自身の頭痛の原因を見極めることが大切です。

そこで、本記事では頭痛の原因について解説していきます。

頭痛の原因と分類

まず、頭痛は大きく分けて、以下の2種類に分けられます。


■一次性頭痛(明らかな原因のないもの)
■二次性頭痛(脳の血管の病気や外傷に伴うもの)

一次性頭痛とは、明らかな原因のない頭痛であり、以下の3種類に分けることができます。


■片頭痛
■緊張型頭痛
■群発頭痛および三叉神経/自律神経頭痛

まずは、以下の表を見て、ご自身がどの頭痛に当てはまるのか簡単にチェックしてみましょう(参考文献⑳を元に作成)。

headache-map

(c) Back Teck Inc.

あなたの頭痛は何タイプでしたか?中には、これらの頭痛がいくつか混在するタイプもあります。上図は、あくまでも参考程度にしていただき、正確な診断のためには病院を受診してください。

タイプが分かったところで、ここからは各頭痛の症状と原因について解説していきます。

片頭痛について

まずは片頭痛について解説していきます。

日本における片頭痛の有病率は8.4%とされ、最も多い30代女性では20%に達しています。(参考文献②)

片頭痛の症状

片頭痛は主に以下の2つに分類されます。


■前兆のない片頭痛
■前兆のある片頭痛

ここで言う前兆とは、視界がチカチカする、頭部がチクチクするなどの症状が本格的な頭痛を感じる前に起こる前ぶれを指します。

前兆のない片頭痛は、頭痛発作を繰り返し4〜72時間持続するもので、頭の片側に起こるズキズキと脈打つ鼓動のような頭痛を指します。

前兆のある片頭痛は、5〜20分に渡って徐々に強くなり、60分以内に治る頭痛を指します。

片頭痛の原因

片頭痛が起こる原因はまだはっきりとはしておりませんが、頭の血管の周りの神経に何らかの刺激が加わることで、様々な化学物質が放出され、それによる炎症で頭痛が起こるとされています。(参考文献③)

また、肩こりや首こりが背景にある場合、肩や首周りの筋肉の緊張が頭の前後や側頭部にある筋肉にも緊張が伝わり頭痛を引き起こすことがあります。

詳しくは、「肩こりと頭痛がひどい!その原因と対策をご紹介!」をご参照ください。

その他に、片頭痛を強くする要因には以下のようなものがあります。(参考文献④、⑤)


■ストレス
■精神的緊張
■疲れ
■睡眠
■月経周期
■天候の変化
■温度差
■頻回な旅行
■臭い
■空腹
■アルコール

睡眠に関しては、寝不足あるいは寝過ぎの両方で頭痛を感じる場合があり、寝不足の場合の方が頭痛を感じることが多いとする結果が示されています。(参考文献④)

また、天候に関しては、春や秋など季節の変わり目に頭痛を感じる方が多いとされています(参考文献④)。

緊張型頭痛について

つづいて、緊張型頭痛について解説していきます。緊張型頭痛の有病率は報告による差が大きいため解釈には注意が必要ですが、多くの報告で一次性頭痛の中でもっとも有病率が高く、男性より女性に多いことがわかっています。(参考文献⑥、⑦)

緊張型頭痛の症状

緊張型頭痛は、持続する痛みという点は片頭痛と同じですが、頭の両側に起こるズキズキと脈打つ頭痛ではなく、締め付けるような頭痛であり、強さは片頭痛に比べると軽度という点が異なります。

また、「1ヶ月にどの程度の頻度なのか」によって2つに分けられ、それぞれ原因が異なるとされています。


■慢性タイプ(頭痛の頻度が月に15回以上)
■繰り返すタイプ(頭痛の頻度が月に15回未満)

緊張型頭痛の原因

慢性タイプでは、片頭痛と同様に神経から放出される様々な化学物質によって頭痛が起こるとされています。(参考文献③)

繰り返すタイプでは、頭や顔の筋肉の緊張が強くなることで、皮膚や、筋肉を覆う筋膜(きんまく)から感覚を伝える神経が刺激されて頭痛が起こるとされています。(参考文献⑧)

片頭痛で挙げた頭痛を強くする要因の内、アルコール以外は緊張型頭痛でも同様のことが言えるとされています。(参考文献④、⑤)

群発頭痛および三叉神経/自律神経頭痛について

最後に、群発頭痛および三叉神経/自律神経頭痛について説明していきます。群発頭痛の有病率は、報告により様々ですが、10万人あたり56~401人とされています。(参考文献⑨-⑰)

群発頭痛および三叉神経/自律神経頭痛の症状

この頭痛は、短い時間に左右の頭のどちらかに起こる頭痛に加え、結膜(まぶたの裏を覆う膜)の充血、涙や鼻水が流れるなどといった自律神経に関わる症状を伴うことが特徴です。

群発頭痛および三叉神経/自律神経頭痛の原因

原因としては、片頭痛や緊張型頭痛と同じように神経による影響や、体内時計(サーカディアンリズム)の乱れが影響していると考えられています。(参考文献⑱)

アルコールなどに含まれるニトログリセリン、魚類などに含まれるヒスタミンが頭痛を強くする要因とされ、群発頭痛のある方には大酒豪やヘビースモーカーが多いという研究結果もあります。(参考文献⑲)

二次性頭痛の原因

二次性頭痛とは、頭部の外傷によるもの、脳や首の血管に問題があるものなど、何らかの大きな問題によって起こる頭痛を指します。

主に以下のものが当てはまります。


■頭部の外傷
■脳卒中に伴う頭痛
■感染症による頭痛
■頭蓋骨、首、目、耳、鼻、歯、口など顔を構成する要素に問題がある

二次性頭痛は背景に何らかの病気がある可能性があるため、それを疑うポイントとして以下の4つに当てはまる場合はすぐに病院で「脳神経内科」を受診することをお勧めします。(参考文献⑳)


■突然の頭痛
■経験したことのない頭痛
■いつもと様子の違う頭痛
■悪くなっていく頭痛

一次性頭痛に関しても、何が原因か個人で判断するのは難しいかと思いますので、頭痛をきたす原因を幅広く診断できるという意味で「脳神経内科」を受診することが望ましいです。

まとめ

今回は、頭痛の原因を一次性と二次性に分け、それぞれの症状を踏まえて解説しました。

あなたの頭痛がどれに当てはまるのかを知ることで、頭痛を解消する第一歩となれば幸いです。また、本記事では診断にはならないため、あくまで参考程度にしていただき、必要な場合は自分で判断せずに病院を受診してください。

今後は頭痛の原因別に対策をまとめた記事も書くことを予定していますので、ご期待ください!

訂正(2019/03/28)

本記事では当初、一般の方になじみのある表現あることを加味して「偏頭痛」、「群発性頭痛」という表記をしていましたが、「片頭痛」、「群発頭痛」に表現を統一した方がよいというご指摘をいただきました。編集部による文献の再レビューを実施し、ご指摘いただいたように下記の表記が適切であると判断し変更いたしました。今後も我々は正しい情報の発信に対して責任を持ち、良質な記事の配信をより一層努めてまいります。

【変更点】
偏頭痛→片頭痛
群発性頭痛→群発頭痛

(松井 洸)


▼  参考文献①
タイトル:平成30年国民生活基礎調査(平成28年)の結果から グラフでみる世帯の状況
ページ名:厚生労働省政策統括官(統計・情報政策担当)
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28.pdf
▼  参考文献②
タイトル:Prevalence of migraine in japan : a nationwide survey
雑誌名:Cephalalgia. 1997 Feb;17(1):15-22
[PMID: 9051330]
▼  参考文献③
タイトル:The neurobiology of vascular head pain
雑誌名:Ann Neurol. 1984 Aug;16(2):157-68.
[PMID: 6206779]
▼  参考文献④
タイトル:Precipitating factors in migraine : a retrospective review of 494 patients
雑誌名:Headache. 1994 Apr;34(4):214-6
[PMID: 8014037]
▼  参考文献⑤
タイトル:Level of physical activity,well-being,stress and self-rated health in persons with migraine and co-existing tension-type headache and neck pain.
雑誌名:J headache pain.2017 Dec;18(1):46.doi:10.1186/s10194-017-0753-y.Epub 2017 Apr 18.
[PMID: 28421374]
▼  参考文献⑥
タイトル:The global burden of headache : a documentation of headache prevalence and disability worldwide
雑誌名:Cephalalgia 2007;27(3):193-210
[PMID: 17381554]
▼  参考文献⑦
タイトル:Population-based door to door survey of migraine in japan : the daisen study
雑誌名:Headache 2004;44(1):8-19
[PMID: 14979878]
▼  参考文献⑧
タイトル:Induction of prolonged tenderness in patients with tension-type headache by means of a new experimental model of myofascial pain
雑誌名:Eur J Neurol. 2003 May;10(3):249-56
[PMID: 12752398]
▼  参考文献⑨
タイトル:prevalence of migraine and cluster headache in swedish men of 18
雑誌名:Headache 1978:18(1):9-19
[PMID: 649381]
▼  参考文献⑩
タイトル:Cluster headache in the republic of San Marino
雑誌名:Cephalalgia 1986:6(3)159-162
[PMID: 3768949]
▼  参考文献⑪
タイトル:Incidence of cluster headaches : a population based study in Olmsted County Minnesota
雑誌名:Neurology 1994:44(3 Pt 1):433-437
[PMID: 8145911]
▼  参考文献⑫
タイトル:Prevalence and incidence of cluster headache in the republic of San Marino
雑誌名:Neurology 2002;58(9):1407-1409
[PMID: 12011291]
▼  参考文献⑬
タイトル:Cluster headache prevalence Vaga study of headache epidemiology
雑誌名:Cephaalgia 2003;23(7):528-533
[PMID: 12950378]
▼  参考文献⑭
タイトル:Epidemiology and genetics of cluster headache
雑誌名:Lancet Neurology 2004;3(5):279-283
[PMID: 15099542]
▼  参考文献⑮
タイトル:Lifetime prevalence and concordance risk of cluster headache in the Swedish twin population
雑誌名:Neurology 2006;67(5):798-803
[PMID: 16966540]
▼  参考文献⑯
タイトル:Cluster headache prevalence in the Italian general population
雑誌名:Neurology 2005;64(3):469-474
[PMID: 15699377]
▼  参考文献⑰
タイトル:Primary headache disorders in the Republic of Georgia: prevalence and risk factors.
雑誌名:Neurology. 2009 Nov 24;73(21):1796-803. doi: 10.1212/WNL.0b013e3181c34abb.
[PMID: 19933983]
▼  参考文献⑱
タイトル:Twenty-four-hour melatonin and cortisol plasma levels in relation to timing of cluster headache
雑誌名:Cephaalgia. 1995 Jun;15(3):224-9
[PMID: 7553813]
▼  参考文献⑲
タイトル:nitric oxide-induced headache in patients with chronic tension-type headache
雑誌名:Brain. 2000 Sep;123(Pt 9):1830-7.
[PMID: 10960046]
▼  参考文献⑳
タイトル:慢性頭痛診療ガイドライン
URL:http://www.jhsnet.org/guideline.html

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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