群発頭痛の治療方法について最新の医学的研究をもとに徹底解説!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター梶原 文規 / 理学療法士/ 修士号(保健医療学)/ 呼吸療法認定士/ 健康予防管理専門士

cluster headache

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【記事のポイント】
1.群発頭痛は、一定期間に集中して生じる頭痛である。
2.群発頭痛のリスクを高める要因には、アルコールや喫煙、赤身魚に含まれるヒスタミンなどがある。
3.群発頭痛の治療は、薬を使った治療と酸素吸入の2つが主流である。

頭痛には様々な種類があり、一般的なものには、ズキズキと脈打つような片頭痛や、締め付けるような痛みが特徴的な緊張型頭痛、一定期間に集中して痛みに襲われる群発頭痛などがあります。

この記事では、その中でも群発頭痛に焦点を当てて、その治療方法についてご紹介していきます。

群発頭痛は一定期間に集中して起こる頭痛

そもそも「群発」とは、ある期間、同じ区域に集中して起こることをいいます(weblio辞書より)。つまり群発頭痛とは、頭痛が出現する時期がある一定期間に集中しており、その期間以外は頭痛は出現しないタイプの頭痛になります。

痛みは目の奥から頭にかけて生じやすく、タイミングとしては、睡眠中などの夜間に生じやすいと言われています。群発頭痛を持っている人の割合は1万人あたり5〜40人で、特に20〜40歳の男性に多いと言われています(参考文献①、②)。

群発頭痛のメカニズム

近年、群発頭痛が生じるメカニズムを解明するために様々な研究がなされています。残念ながら、どれも決定的な解明には至っていませんが、脳の中で信号を伝える役割をするニューロペプチドという物質の異常によって、頭や顔の周囲に分布している神経(三叉神経)の活動が乱れることで頭痛が生じる可能性が高いのではと考えられています(参考文献③)。

群発頭痛の種類

群発頭痛は、下記の表のうち、A〜Eの全てを満たすものを指しています(参考文献③)。
(注:医学的な表現を一部、簡単な言葉に言い換えています)

(c) BackTech Inc.

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また、群発頭痛の症状を感じてからの期間や、症状がない期間状態の長さによって、下記の2つのタイプに分類されます。

①反復性群発頭痛

・群発頭痛の症状を生じてから1年未満である。
・症状が無い期間が1ヶ月以上あり、その期間が2回以上ある。

②慢性群発頭痛

・1年以上群発頭痛が繰り返されている。
・症状が無い期間がないか、あったとしても1ヶ月未満である。

群発頭痛のリスク要因

群発頭痛のリスクを高める要因として、以下のものが知られています(参考文献③)。


■アルコール飲料
■喫煙
■ヒスタミン:マグロ類、カツオ類、サバ類等の赤身魚に多く含まれる(参考文献④)
■ニトログリセリン:心臓の病気である狭心症の薬として処方される

群発頭痛は、まだ未解明なことも多く、自分でできる対策も限られているのが現状です。そのため、頭痛を生じている期間は、群発頭痛のリスクを高める要因となるアルコールや喫煙を控えることが、ご自身でできる中心的な対策になります。
また、痛みは夜に生じることが多いため、なかなか満足な睡眠が取れずにお悩みの方も多いかもしれません。「その肩こり、枕が原因かも?自分にあった枕の選び方」では、リラックスして眠るための枕について紹介しておりますので、頭痛だけでなく肩こりにもお悩みの方は、ぜひこちらもご参照ください。

群発頭痛の治療は薬と酸素吸入が主流

ここからは、少し専門的な内容になりますが、群発頭痛に対して医療機関で処方される治療と、予防に関する知見についてご紹介します。

群発頭痛の治療

現在行われている群発頭痛の治療は、薬を使った治療と酸素吸入による治療の2つが主になっています。

①薬を使った治療

トリプタン製剤と呼ばれる薬は、片頭痛の時に処方される薬の一つですが、群発頭痛でもトリプタン製剤が処方されることがあります(参考文献③)。副作用が少なく、長期間使用しても有効性が低下しないといったメリットがあります。

②酸素吸入

酸素吸入は、群発頭痛に対して医学的根拠が明らかになっている治療法の1つです(参考文献⑤、⑥)。ただし、酸素といっても濃度が高くなると体に害を及ぼすこともあるため、酸素吸入を検討する際には、お近くの医療機関(神経内科や頭痛外来など)で相談するのが望ましいでしょう。

群発頭痛の治療法として主流になっている、薬(トリプタン製剤)や酸素吸入が群発頭痛に効果的な理由は、ともに脳の中の乱れた神経活動を整える役割を担うからであると考えられています(参考文献③)。

③その他

上記2つの他に、明確な根拠をもって推奨されている訳ではありませんが、以下のような治療法が選択されることもあります。

■神経ブロック注射:神経や神経の周辺に局所麻酔薬を注射すること
■ガンマナイフによる治療:ガンマナイフとは放射線治療の一つ(参考文献⑦)
■脳深部刺激療法:脳に電気的または磁気的刺激を送りこむことによって、症状の改善を図る治療法(参考文献⑧)

まずはリスクを高める要因を控えよう

群発頭痛は発症原因などがはっきり解明されていないため、他のタイプの頭痛に比べて、まだまだ自分でできる対処法が少ないのが現状です。

まずは、群発頭痛のリスク要因であるアルコールや喫煙を控えて、それでも我慢できないほど症状が強い場合には、神経内科や頭痛外来を受診して適切な治療を受けるのがよいでしょう。

また、頭痛には、群発頭痛の他にも片頭痛や緊張型頭痛と呼ばれるものがあります。それぞれの頭痛の詳しい内容に関しては「【意外と知らない】あなたの頭痛の原因とは?」で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

(梶原文規)


▼ 参考文献①
タイトル:Prevalence and incidence of cluster headache in the Republic of San Marino.
雑誌:Neurology. 2002 May 14;58(9):1407-9.
[PMID: 12011291]
▼ 参考文献②
タイトル:Incidence of cluster headaches: a population-based study in Olmsted Country, Minnesota.
雑誌:Neurology. 1994 Mar;44(3 Pt 1):433-7.
[PMID: 8145911 ]
▼ 参考文献③
タイトル:慢性頭痛の診療ガイドライン2013
URL:http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/gl2013_main.pdf
▼ 参考文献④
タイトル:食品安全委員会 ファクトシート 平成26年
URL:https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/140326_histamine.pdf
▼ 参考文献⑤
タイトル:Treatment of cluster headache. A double-blind comparison of oxygen v air inhalation.
雑誌:Arch Neurol. 1985 Apr;42(4):362-3.
[PMID: 3885921]
▼ 参考文献⑥
タイトル:High-flow oxygen for treatment of cluster headache: a randomized trial.
雑誌:JAMA. 2009 Dec 9;302(22):2451-7. doi: 10.1001/jama.2009.1855.
[PMID: 19996400]
▼ 参考文献⑦
タイトル:Gamma knife treatment of refractory cluster headache.
雑誌:Headache. 1998 Jan;38(1):3-9.
[PMID: 9504996]
▼ 参考文献⑧
タイトル:Stimulation of the posterior hypothalamus for treatment of chronic intractable cluster headaches: first reported series.
雑誌:Neurosurgery. 2003 May;52(5):1095-9; discussion 1099-101.
[PMID: 12699552]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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