ストレスは頭痛の原因のひとつ!根拠に基づいて適切に対処しよう

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター松井洸 / 理学療法士

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【記事のポイント】
1. ストレスは頭痛を起こす原因の1つ
2. ストレスは少し考え方を変えることでコントロールできる
3. ストレスへの対策として、マインドフルネスと有酸素運動がオススメ

頭痛の原因は様々ですが、その中でもストレスは頭痛を起こす主な原因の1つです(参考文献①)。

もし、仕事や家庭でストレスを感じていることがある場合、その原因を知って適切に対処することで、頭痛を和らげることができる可能性があります。

そこで今回は、頭痛とストレスの関係、そして、ストレスに対してどのように対策していくべきなのかを解説します。

ストレスが頭痛に繋がるメカニズム

ストレスが頭痛を起こすというとあまりピンとこないかもしれません。ですが、ある研究では、頭痛を感じている方の約60%がストレスも感じており、25%がストレスから解放された時に頭痛を感じていると報告しています(参考文献②)。

また、別の研究では、頭痛や肩こりを感じている方の特徴として、ストレスの高さ、生活満足度の低さを挙げています(参考文献③)。

ストレスによる頭痛は、いわゆる心因性(心の状態に起因するもの)の頭痛であり、怪我や病気などの痛みを感じる要因が無いのにも関わらず痛みを感じてしまうこととされています。

【意外と知らない】あなたの頭痛の原因とは?」で紹介しているように、もともと頭痛は、首や肩のこりによる筋肉の痛みや、血行不良が頭の筋肉や皮膚にも影響を与えることで、ぎゅーっと頭を締め付けるような「緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)」や、脈を打つように痛む「片頭痛(へんずつう)」などが起こります。

ですが、そのような状態が長く続くと、下図にあるように神経自体が痛みを感じやすい状態へ変化していき、痛みを起こすような要因がなかったとしても頭痛を感じてしまうことがあります。そういった状況が、不安感や恐怖感などの感情を持つようになり、自分自身の周りの環境によるストレスがさらに負の感情を強くしてしまう悪循環に陥ってしまうのです。

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(c) BackTech Inc.

ストレスを感じる要因としては、個人のライフスタイルによって異なります。ここで重要なのは、ストレスが頭痛を起こす可能性があるということを自覚し、自分はストレスを感じていないかどうか、何が自分にとってストレスとなっているのかについて自分自身と向き合うことです。

ストレスによる頭痛の対処法

ストレスによる頭痛の対処法として、主に以下の4つがあります。


・ストレスに対する見方を変える
・マインドフルネス
・有酸素運動
・頭痛薬

それぞれ以下に解説します。

ストレスに対する見方を変える

まず、ストレスを感じる要因として多いものを以下に挙げています。
自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。


・仕事で感じるプレッシャーが強い
・職場での同僚あるいは上司からのサポートが少ない
・職場での仕事量が多い・育児に追われて生活に余裕がない
・パートナーとのコミュニケーションが上手くいっていない

自分に当てはまるものはありましたか?

もし、上記の項目に当てはまるものがなかった場合、自分にとってのストレスとは何か?を自問自答してみてください。

ぱっと考えた時に真っ先に何が頭に浮かびましたか?
それがあなたにとってストレスとなっている可能性があります。

ストレスを感じる要因が分かったら、次はそのストレスをどう捉えて解消していくのかを考えましょう。

自分にとってのストレスは他の人からしてもストレスと感じることでしょうか?
恐らく必ずしもそうではありません。

例えば、職場でのサポートが少ないことにストレスを感じているとします。

自分では「何でもっと手伝ってくれないんだ」、「自分はこんなに仕事を抱えて大変なのに。」と思うかもしれません。ですが、あなたが仕事を抱えすぎて大変だということを周りは知らないだけなのかもしれません。周りにそれを打ち明けてみると、快くサポートしてくれる可能性があります。

他にも、パートナーとのコミュニケーションが上手くいかないことにストレスを感じているとします。

話しかけても素っ気なくあしらわれてしまうと、「私のことが嫌いなのかな?」、「なんでもっとかまってくれないのかな。」など思うかもしれません。ですが、たまたま仕事など忙しいタイミングでパートナーに余裕がないだけかもしれません。
自分に原因があるのではないかと考えるだけでなく、相手の気持ちや状況も汲み取ってみると、マイナスの感情が和らいだり、何か自分でも手伝えることはないかと、考えることもできます。

ここで重要なのは、ストレスの要因自体を変えることは難しくても、少し見方を変えるだけでストレスと感じる感情はコントロールすることができるということです。

続いて、ストレス解消のための効果が科学的に明らかとになっている対策として、マインドフルネスと有酸素運動について見ていきましょう。

根拠に基づいたストレス解消のための対策

マインドフルネス

頭痛が長引いている時は、頭痛に関する不安や疑問から今後に対する不安や恐怖でいっぱいになっているいる場合が多く、そうした考えが頭痛を起こしたり症状を強くしてしまう可能性があります。そういった場合にマインドフルネスが対策の一つとして考えられます。

頭痛に対するマインドフルネスの効果を検証した報告をまとめた研究結果によると、何もしない場合や受け身な対策と比較して、マインドフルネスの中でも「マインドフルネスに基づくストレス低減法(Mindfulness-based stress reduction; MBSR)」という手法が、頭痛の解消には効果的な可能性が示されました。

しかし、現状では、確固たる科学的根拠をもって、「マインドフルネスが頭痛を改善する」という結論を導くには、不十分であるため、さらなる研究の蓄積が必要です(参考文献④)。

マインドフルネスに関しては、「マインドフルネスの方法7選を学んで、腰痛を改善しよう!」で詳しく解説していますので、ぜひ生活の中に取り入れてみてください(腰痛に関するトピックですが、本質的には対象が腰痛か頭痛かの違いだけですので、頭痛に話を置き換えて読んでいただけたらと思います)。

有酸素運動

有酸素運動も頭痛には効果的であることがわかっています(参考文献⑤)。

ある研究では、頭痛と肩こりを持つ方に対して、週3回45分の有酸素運動を実施したグループは、通常の生活を送ったグループと比較して、頭痛が起こる頻度、痛みの強さや痛みが続く時間、肩こりの程度が減少したと報告されています。(参考文献⑥)

運動不足が痛みを起こす要因の一つとなるので、痛みが軽くなった後も継続的に運動を習慣づけていきましょう。

<目的>
・頭痛の軽減(参考文献⑥)
・精神的ストレスの解消
・痛みを抑制するドーパミンの分泌促進

<手順>
自転車やウォーキングなどご自身の実施しやすい形の運動(少し息が弾む程度の運動)

<ポイント>
・自分の体力に合わせて、可能な範囲の負荷量で始める
・疲労感が強い場合は無理せず、休憩を挟みながら実施する
・疲労感は自覚的にやや疲れるくらいの負荷量を目安に実施する
・一週間に1~2回から始めて余裕があれば少しずつ頻度を増やしていく

頭痛に対する薬物療法

頭痛に対する薬の使用は、頭痛の重症度によって異なります。頭痛の症状が常に軽く、頭痛による苦痛がほとんどなく、生活への支障がなければ、市販薬でも対応することが可能です。

厚生労働省から許可されている解熱鎮痛薬の成分のうち、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンは頭痛に効果があるとされています(参考文献⑦)。

また、漢方に関しては効果は示されていますが、十分な科学的根拠のあるものは少ないようです。漢方は個人の体質によって効果が左右される側面もあるため、同じ頭痛でも効果が異なる場合があるということが根拠の裏付けを取りにくい原因だとされています。

ただ、市販薬は簡単に手に入りますが、長期間にわたる頻回な使用による薬物乱用による頭痛も起こりうるため十分な注意が必要です。長期間使用しているのにも関わらず頭痛が治らない、あるいは生活に支障がでるレベルの頭痛であれば、病院で脳神経内科の受診をお勧めします。

まとめ

今回、頭痛とストレスの関係について解説しました。

何かストレスを感じる要因がある方は、まずはそのストレスと向き合うことから始めてみてください。その上で、ご自身の生活に適した対策をしていきましょう。

ストレス以外にも頭痛を起こす要因としては、肩や首周りの筋肉のコリ、血行不良、関節の動きが悪いなどが挙げられます。詳しくは「肩こりと頭痛がひどい!その原因と対策をご紹介!」で解説していますので、そちらをご参照下さい。

(松井 洸)


▼ 参考文献①
タイトル:the triggers or precipitants of the acute migraine attack
雑誌名:cephalalgia.2007 May;27(5):394-402.Epub 2007 Mar 30.
[PMID: 17403039]
▼ 参考文献②
タイトル:precipitating factors in migraine a retrospective review of 494 patients
雑誌名:Headche.1994 Apr ;34(4):214-6
[PMID: 8014037]
▼ 参考文献③
タイトル:Level of physical activity,well-being,stress and self-rated health in persons with migraine and co-existing tension-type headache and neck pain.
雑誌名:J headache pain.2017 Dec;18(1):46.doi:10.1186/s10194-017-0753-y.Epub 2017 Apr 18.
[PMID: 28421374]
▼ 参考文献④
タイトル:Mindfulness Meditation for Primary Headache Pain: A Meta-Analysis.
雑誌名:Chin Med J (Engl). 2018 Apr 5;131(7):829-838. doi: 10.4103/0366-6999.228242.
[PMID: 29578127]
▼ 参考文献⑤
タイトル:The effects of aerobic exercise for persons with migraine and co-existing tension-type headache and neck pain. A randomized, controlled, clinical trial.
雑誌名:Cephalalgia. 2018 Oct;38(12):1805-1816. doi: 10.1177/0333102417752119. Epub 2018 Jan 15.
[PMID: 29333870]
▼ 参考文献⑥
タイトル:The effects of aerobic exercise for persons with migraine and co-existing tension-type headache and neck pain.A randmized,controlled,clinical trial.
雑誌名:cephalalgia.2018 Jan 1:333102417752119.doi:10.1177/0333102417752119.[Epub ahead of print]
[PMID: 29333870]
▼ 参考文献⑦
タイトル:Self medication of migraine and tension type headache : summary of the evidence-based recommendations of the Deutsche Migrane und Kopfschmerzgesellschaft(DMKG),the Deutsche Gesellscaft fur Neurilogie(DGN),the Osterreichische Kopfschmerzgesellschaft(OKSG) and the Schweizerische Kopfwehgesellschaft(SKG).
雑誌名:J Headache Pain 2011;12(2):201-217
[PMID: 21181425]

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