マッサージは首や肩の痛みに効果的なのか?ー12の研究結果からー

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

マッサージ

(c) GF days - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. マッサージは首や肩の痛みを即時的・短期的に改善するが、身体機能は改善しなかった.
2. マッサージは他の治療法よりも優れているとは言えなかった.
3. 即時的・短期的な”痛み”の改善目的であれば、マッサージを考慮しても良いかもしれない.

首や肩の痛みを感じた時に、マッサージ受けた経験のある方はは多いと思います。

それでは、実際にマッサージは首や肩の痛みに効果的なのでしょうか?

首や肩の痛みに対するマッサージの効果とは?

この研究では、首や肩の痛みに対するマッサージの効果を調査した医学論文を検索し、質の高い論文のみをまとめることで、マッサージの効果を調査しました。

調査の結果、ある一定の基準を満たした研究12本がまとめられました。いずれも対象者を①マッサージを受けるグループか、②それ以外のグループにランダムに割り付けるランダム化比較試験という研究手法が用いられました(一般に、研究の質が高いと言われる手法です)。

今回の研究で実施されたマッサージの具体的な内容は以下の通りです。


▪️マッサージの内容:手や手動で使うマッサージ用器具を用いて行うもの(中国や西洋、タイの伝統的マッサージなど)
▪️マッサージの期間:1日〜10週間のいずれか
▪️マッサージの頻度:決められた期間内で平均7.0回
▪️マッサージの1回あたりの時間:平均26.6分

また、マッサージの効果を比較するための比較対照として、下記の2条件が設定されました。


▪️プラセボ(偽薬など見かけ上効果があるように見えるが、実際は効果がないもの [今回の場合: 偽の筋膜リリース])
▪️マッサージ以外の治療(鍼治療や筋膜リリース、理学療法など)

マッサージの即時効果(治療して1日以内)

調査の結果、プラセボの筋膜リリースと比較して、マッサージは首や肩の痛みに対する即時効果(マッサージ後から1日以内の効果)が高いことが分かりました。

しかし、鍼治療や運動、理学療法と比較した場合、それらよりもマッサージの即時効果が高いという結果は得られませんでした。

マッサージの短期効果(治療後3日~12週間)

また、理学療法と比較して、マッサージは肩の痛みに対してのみ短期効果(3日〜12週間)を認めましたが、鍼との間に効果の違いはありませんでした。

なお、プラセボや運動と短期効果を比較した研究はありませんでした。

マッサージの身体機能への効果

一方で、本研究ではマッサージの身体機能面(肩の関節が動く範囲)の改善効果は認められませんでした

マッサージ以外の治療法にも目を向けて、首や肩の痛みの対策を!

まとめると、首や肩の痛みに対して、マッサージは即時・短期効果がありますが、身体機能面への効果は認められないという結果でした。

つまり、即時・短期的に首や肩の痛みを良くしたいのであれば、マッサージも一つの方法として考慮し、首や肩の痛みにより低下した身体機能を改善したいのであれば、運動を取り入れていくことが必要かもしれません。

もしくは、痛いときは即時・短期的にマッサージで痛みの改善を狙いつつ、徐々に運動を取り入れて身体機能を改善していくのも良いかもしれません。

ご自身でできる首や肩の痛みに対するマッサージの方法は「肩こりに対するマッサージの効果や方法を理学療法士が徹底解説!」で詳しく紹介していますので、興味のある方は、ご覧ください。

なお、今回は即時・短期効果に限った話であり、長期的な効果についての知見は得られませんでした。今後は長期効果についても記事にしていきたいと思います。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Massage therapy for neck and shoulder pain: a systematic review and meta-analysis.
雑誌名:Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:613279.
[PMID:23533504]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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