肩こりと手のしびれがある場合は、病院に行くべき?

諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

肩こりと手のしびれ

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【記事のポイント】
1. 肩こりと手のしびれにどのような関係があるのか?
2. しびれを感じた場合、病院を受診したほうがよいのか?
3. 肩こりによる手のしびれをなくすために

肩こりは多くの日本人が悩まされている問題です。しかし、どんなにひどい肩こりでも、肩こりで病院に行っていいのかわからない、もしくは行かない方がほとんどだと思われます。

では、手にしびれを感じたらいかがでしょう。

ここでは、肩こりと手のしびれにどのような関係があるのか、病院に行くべきなのかについて解説していきたいと思います。

肩こりと手のしびれにどのような関係があるのか?

みなさん、手にしびれを感じたことはあるでしょうか。

例えば、家事をしているとき、パソコンを触っているとき、変な寝方で寝てしまったときなど、手にしびれを感じたことのある方はいるかもしれません。しかし、すぐによくなる、放っておいたら元に戻るなどの経験も多くの方がされているのではないでしょうか。

では、なぜ手にしびれを感じるのでしょうか。先程挙げた例の多くは、首、または肩の問題で手にしびれを感じていることが多いです。手がしびれているから手に問題があるのではと思う方もいるかもしれませんが、ほとんどの場合手に問題がなくても手にしびれを感じます

しびれというのは、神経(脳から筋肉を動かすための指令を、または筋肉から脳へ動かす際の信号を送る道路みたいなもの)の問題で起こることがほとんどであり、神経の通り道が何かの影響で遮断されることで起こります。そして、遮断された場所からその先にかけても症状が出ます。首から出る神経は肩を通り、手に向かって伸びていきます。

つまり、首や肩で神経の通り道が遮断されれば、その先にある手にしびれが起こりうるということです。

では、肩こりとどのような関係があるのかを解説していきます。

肩こりは、首から肩にかけての筋肉が硬くなることで血行が悪くなったり、筋肉の疲労によって感じるようになります。

肩こりで硬くなった筋肉が手に向かって伸びる神経の通り道を圧迫したり、肩こりを起こしやすい姿勢になってしまうことで、その姿勢の影響で神経の通り道が狭くなってしまうことで手にしびれが起こってしまうのです。

しびれを感じた場合、病院を受診したほうがよいのか?

先に答えから述べますと、整形外科などの病院を受診することをおすすめします。理由は簡単で、一度神経を痛めてしまうと、神経を遮断していた問題が解決されてもしびれが改善しないといったことも起こり得るからです。

どこで神経の通り道が遮断されているのか、しびれの原因箇所がわからないと根本的な改善が得られないため、気になる方は早めの受診を行うようにしましょう。

脳やせき髄など、カラダを司る中心部分を傷めてしまった場合

しびれが起こる原因は大きく分けて2つあります。

そのうちのひとつが、神経の大元である脳やせき髄(背骨の中を通っている神経の中心部分)を傷めてしまった場合です。

肩こりで起こっているしびれであれば改善しやすいですが、肩こりが原因でしびれが起こっていない場合もあります。この場合は、できるだけ早期の発見が重要となり、はやい段階でわかれば大きな後遺症なく生活することも可能かもしれません。

脳を傷めている場合は、しびれ以外にも目まいやふらつき、呂律が回らないなど、普段まったくない症状も合わさって起こっていることが多いです。そんな症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。

病院を受診していただきたい大きな理由として、まずは脳やせき髄の問題ではないという安心感を得ていただきたいという願いもあります。万が一、脳やせき髄の問題であった場合は、今後の人生を左右しかねません。まずはその可能性がないことを医師に診断してもらい、次の項で述べる問題の対策を考えていただきたいと思います。

筋肉の硬さや姿勢の影響で神経を圧迫してしまった場合

肩こりで起こる症状のほとんどは、筋肉の硬さの影響や骨の位置が変わること(姿勢の問題)で神経が圧迫されて起こるしびれがあります。肩こりによって起こる手のしびれは、こちらの理由になります。

ただ、一概に肩こりで起こる手のしびれといっても神経が遮断される箇所はいくつかあり、原因箇所を自身で判別するのは容易ではありません。

首まわりで神経が圧迫されている場合

肩こりでは、首まわりに付いている筋肉が硬くなります。この首まわりの筋肉の隙間をぬって神経が腕に向かって走っています。首まわりの筋肉が硬くなることで神経の通り道が狭くなり、圧迫されることで手にしびれを感じるようになってしまいます。首まわりの筋肉が原因で起こる胸郭出口症候群のひとつになります。

いかり肩の方に多い症状となります。いかり肩とは、首の筋肉が縮まることで鎖骨と肩甲骨が上がっている姿勢のことをいい、男性に多い姿勢になります。

鎖骨と筋肉で神経が圧迫される場合

肩こりは、肩甲骨(背中に2つある翼みたいな骨のこと)の位置が通常よりも低いことで起こる場合もあります。

肩甲骨が下がることで鎖骨もいっしょに下がってしまうのですが、その鎖骨が下がった影響で、鎖骨の下を通り腕に向かって走る神経が鎖骨と筋肉に挟まれて手にしびれを感じるようになることがあります。これも鎖骨の下になる筋肉が原因で起こる胸郭出口症候群の一つに分類されます。

なで肩の方に多い症状となります。なで肩は聞いたことのある方が多いと思いますが、鎖骨と肩甲骨が下がってしまい、肩の位置が下がった姿勢になります。リュックサックが肩からよく落ちる方はこの姿勢であることが多いです。

脇の下の神経が圧迫される場合

デスクワークなど、腕を長時間カラダの前で使う作業をすることで猫背になってしまい、その影響で肩こりになる場合があります。

猫背のままの姿勢で固まってしまうと、肩甲骨から腕に付いている筋肉が硬くなります。その影響で脇の下を通っている神経が圧迫されてしまい、手にしびれを感じることがあります。

まき肩の方に多い症状となります。まき肩とは、肩の位置が通常より前側に移動して、上から見ると背中に向かって凸に丸まったような姿勢のことをいいます。

わかりにくいと思うのでもう少し解説すると、壁を背にして立ったときに肩と壁の間に大きな隙間が空いてしまう、仰向けで寝たときに肩が地面から大きく離れてしまう方は、まき肩であることが多いです。デスクワークを長時間される方や、人から猫背と言われる方はこの姿勢に当てはまる可能性が高いです。

肩こりによる手のしびれを解消するために

ここでは、前項で挙げたそれぞれの場合における簡単な対策を解説していきたいと思います。

これから挙げるものはあくまで簡単なセルフケアになりますので、症状が悪化する場合はストレッチや運動を中止して、ひどい場合は早急に病院や整形外科を受診してください。

首まわりで神経が圧迫されている場合

首の筋肉をストレッチする機会を作りましょう。首の筋肉の柔軟性を改善することで、筋肉の硬さによる神経の圧迫を取り除ける可能性があります。

方法は簡単です。右の首の筋肉を伸ばしたい場合、左手で右耳を触るように頭を抱えます。そのまま左に首を倒していくと右の首の筋肉が伸びる感じがすると思います。さらに右肩を下に降ろすようにする(右手を右へ伸ばすように動かすと降ります)ことでより効果的に伸ばすことができます。

伸び感を感じている状態で、20〜30秒間保持しましょう。それを気がついたときに実施するようにしてみてください。座っていても立っていてもできますので、ぜひ休憩のたびに実施することをお勧めします。

首の筋肉の柔軟性が改善することで鎖骨と肩甲骨が下がりやすくなるため、いかり肩の方におすすめのストレッチです。

鎖骨と筋肉で神経が圧迫される場合

手順は2つあります。

1. 鎖骨の下側をマッサージしましょう。鎖骨の下側の筋肉(鎖骨下筋)が硬いと神経の圧迫を強めてしまうため、ほぐしてあげることが大切です。

2. 肩甲骨を上げる(肩をすくめる)ようにして2~3秒間保持しましょう。

これらを休憩の際や気がついたときに実施してみてください。鏡を見ながら実施すると効果アップです。なぜかというと、手にしびれを感じる肩の方が下がっている方が多い傾向にあり、手がしびれていないほうの肩の動きを見本にできるからです。

鎖骨の下側にある筋肉の柔軟性が改善することで鎖骨と肩甲骨が上側へ動きやすくなるため、なで肩の方におすすめのマッサージと運動になります。

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脇の下の神経が圧迫される場合

肩甲骨を内側に引き寄せる機会を作りましょう。猫背の影響で肩甲骨が前に引っ張られてしまっている状態を改善しなければいけません。肩甲骨から脇の下の筋肉の柔軟性を取り戻すことで、神経の圧迫を和らげられるかもしれません。

方法は簡単で、胸を張るように、肩甲骨を背骨に近づけるように引きます。このとき、腕が動きすぎないようにすることがポイントです。背中の肩甲骨を意識して休憩時や気がついたときに実施してみてください。

また、寝る前にバスタオルを4つ折りにして、グルグル巻きしたもの(何度も使う場合は輪ゴムでとめて寝床に置いておきましょう)を背筋に沿って敷いて仰向けに寝ます。力を抜くと胸が張るような感じになることを感じられると思います。その状態で5~10分ほどリラックスします。これも猫背をリセットするのにおすすめです。

胸の筋肉の柔軟性を改善することで肩甲骨を後ろに引きやすくなり、またバスタオルを引くことで背筋の感覚が研ぎ澄まされ、さらに肩甲骨を引きやすくなります。そのため、まき肩の方におすすめの運動とセルフケアとなります。

肩こりは放っておいてはいけない場合がある!

今回は、肩こりと手のしびれの関係性について述べました。手にしびれを感じることが頻繁にある場合は、早急に病院やリハビリのある整形外科を受診することをおすすめします。

自身の姿勢の特徴やしびれの原因となる箇所を特定し、しびれがなくなるようなセルフケアを知ることが大切です。

(諸麥 友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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