肩こりを解消する効果的な簡単ストレッチを理学療法士が徹底解説!

オフィスでできる肩こりに効果的なストレッチ

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【記事のポイント】
1. ストレッチにより、関節の動きの改善、血流促進などが望める
2. 偏った姿勢や動きが筋肉の硬さを作り出す
3. 継続してストレッチすることが肩こり解消への近道

「肩こりをなんとかしたい…。」

そんな思いから、ストレッチをしているがあまり変化がない。
良くなるどころか悪化してしまった。

こんな悩みをお持ちの方はいませんか?
このような方々に共通する間違いがあります。

それは、間違った方法でストレッチしている、あるいはストレッチしなくてもよい、してはいけない場所をストレッチしているからかもしれません

本記事では、肩こりに対するストレッチの効果、正しいストレッチの方法、オフィスで座ったままでも簡単にできて効果抜群なストレッチをご紹介します。

肩こりにストレッチは効果的なのか?

そもそも、肩こりに対してストレッチが効果的なのかどうか気になるところですよね。

2016年にOccup Environ Medという学術誌において、肩こりに加え、首や腕の痛みに対するストレッチの効果を検証した研究結果が報告されています。その報告によると、ストレッチは効果的であることが明らかとなりました(ある程度信頼できるエビデンスレベル)。

上記の研究から、肩こりを含む首や腕の痛みにストレッチが有効であることでが明らかになっています。

ストレッチで肩こりが改善する理由

ではどうしてストレッチをすることで、肩こりが改善するのでしょうか?大きくは下記の2つが関係しています。


① 関節の動きが改善されるから
② 血流が促進されるから

① 関節の動きが改善するから

ストレッチには関節の動きの改善効果があります。関節の動きの悪さの原因となる筋肉に対してストレッチすることで、関節の動きが良くなり、関節にかかる負担が少なくなるため、肩こりの改善が期待できます。

関節の動きが悪い状態で関節を動かすことは、関節にとって少なからず負担がかかります。簡単に言うと、関節の動かせる幅が少ないことが問題となります。

関節が動く範囲で動かす分には、関節に負担はかかりませんが、その範囲を超えて動かすと負担がかかります。その動かせる幅を左右するのが関節周りの筋肉の柔軟性です。

例えば、柔軟な筋肉を持つ場合、肩関節が10動くことができる余裕があるとします。硬い筋肉の場合、10の内5しか動けないとすると、この状態で10動かすと差分の5の負担が肩関節にかかることになります。

硬い筋肉のまま肩関節を動かしていると、関節にとっては負担となる動きが繰り返されることとなり、その結果、肩こりという症状が出現するのです。

ストレッチによって筋肉の柔軟性を取り戻すことで関節の動く範囲が広くなり、その結果肩こりが改善するのです。

② 血流が促進されるから

また、ストレッチには血流の促進の効果もあります。筋肉内の血流が良くなり、血流が悪い部分に溜まっていた痛みを起こす物質や疲労物質が流れてくれるので、肩こりの改善が期待できます。

肩こりを感じている時の状態というのは、常に筋肉に力が入った状態になっています。つまり、力をうまく抜けないということです。

筋肉が緊張すると、血管は細く縮みます。一時的であれば問題ありませんが、その状態が長く続くと血流が悪くなり、痛みの物質や疲労物質などが溜まってしまい、肩こりを感じる原因となるのです。

気温が低い日には肩こりをいつもより強く感じたりしませんか?これは気温の低さに反応して、血管が縮んでいるからです。ただでさえ、縮んでいる血管がさらに縮んで血流が悪くなってしまうことでそのように感じるのです。

反対に、お風呂の後など体が温かい状態は血管が広がって血流が良くなっているため、悪い物質が流れて楽に感じることもあります。しかし、温めていれば肩こりが治るかというとそうではなく、多くは一時的な効果に終わってしまいます。温めるという行為は、血管を一時的に広げるというだけで、血管が細く縮んでしまった本当の原因を取り除くわけではないからです。

力が入って緊張している筋肉に対して、ストレッチをすると緊張をほぐすことができ、その結果血流が促進するため、痛みの物質や疲労物質が流れるので肩こりが改善するのです。

正しい肩こりに対するストレッチの方法

どこの筋肉をストレッチすれば良いの?

それでは具体的にどこの筋肉をストレッチすれば良いのでしょうか。

ストレッチすべきは縮んでいる筋肉の胸にある大胸筋・小胸筋、上腕二頭筋、僧帽筋の上側(肩の上側にある筋肉)です。これらの筋肉は縮んだ状態となりやすく、それによって肩関節の動きを偏ったものにしてしまうため、ストレッチによって伸ばす必要があります。何故これらの筋肉をストレッチすべきかに関して詳しく知りたい方は、「あなたの肩こりを慢性化させる原因とは?」をご覧ください。

スタティックストレッチとダイナミックストレッチを併用しよう!

ストレッチには大きく2種類あります。

体を静止させ、反動を使わずにゆっくりと筋肉を伸ばしていく、スタティックストレッチと、動きを伴いながら筋肉を伸ばすダイナミックストレッチです。

純粋に筋肉を伸ばすことが目的であれば、スタティックストレッチが適しています。

ゆっくり持続的に伸張するスタティックストレッチに対して、動きを伴なうことで伸び縮みを繰り返すのがダイナミックストレッチ。
筋肉は本来、伸び縮みを伴うものなので、より自然な筋肉の動きを再現できるという意味ではダイナミックストレッチは適しています。

オフィスで座ったままでもできるストレッチ①

さて、前置きが長くなりましたが、ここから具体的なストレッチの方法について解説していきます。今回はオフィスに座ったままでもできる簡単なストレッチ、自宅でストレッチポールやタオルを用いて簡単にできるストレッチをご紹介します。

<目的>

・縮んでしまいやすい、大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋を伸ばすことができる
・伸びたまま固定されやすい、僧帽筋、広背筋を縮めることができる

<手順>
1. 座ったまま、腰に手を回して両手を組む
2. 手のひらを下へ向け、肩を床面方向へ下げる
3. 胸を開くように背中を伸ばす
4. そのまま10秒保持
5. 5回程度繰り返す

<ポイント>
・背中、腰が丸まらないように上に伸びる意識を持つ
・骨盤が後ろへ倒れないように立てた状態を保つ
・息を吸いながらすると効果的

ファイル 2018-02-12 18 37 06

オフィスで座ったままでもできるストレッチ②

<目的>
・僧帽筋の中でも凝りやすい縮みやすい上側を伸ばすことができる
・腕を下へ伸ばす動きと首を傾ける動きで、より伸ばすことができる

<手順>
1. 座ったまま、片手を伸ばしたまま床面方向へ下げる
2. その状態を保ちながら、首を反対方向へ傾ける
3. そのまま10秒保持
4. 反対側も同様におこなう
5. 5回程度繰り返す

<ポイント>
・首は痛くなく、気持ちいいくらいに傾ける
・脇を軽くしめたまま床面方向へ下げる

ファイル 2018-02-12 18 37 31

ストレッチポールまたはタオルを用いたストレッチ①

<目的>
・大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋を伸ばすことができる
・手の動きが背骨へ伝わり、背骨周りの筋肉も活性化させることができる

<手順>
1. 仰向けで腰~頭の背骨の下にストレッチポールまたはバスタオルを丸めて置く
2. 両手を伸ばして体の横に置く
3. 肩から動かすつもりで、手のひらを上に向けたり下に向ける
4. 20回程度繰り返す

<ポイント>
・手首や肘でなく、肩から動かす
・大きくゆっくりと痛みがない範囲で動かす

ファイル 2018-02-12 18 37 47

ストレッチポールまたはタオルを用いたストレッチ②

<目的>
・大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋を伸ばすことができる
・手の動きが背骨へ伝わり、背骨周りの筋肉も活性化させることができる

<手順>
1. 仰向けで腰~頭の背骨の下にストレッチポールまたはタオルを丸めて置く
2. 両手を組んで天井に向かって突き出す
3. 突き出した手を肘を伸ばしたまま床方向へ引く
4. 20回程度繰り返す

<ポイント>
・肩がすくまないように軽く脇をしめておこなう
・引く時に肘が曲がらないように注意する

ファイル 2018-02-12 18 38 06

ストレッチをする前に

ここまで肩こりに効果的なストレッチについて解説してきましたが、闇雲にこれらを実践すれば良いというものではありません。これらのストレッチをする前に、以下の症状がある場合、まずは病院を受診することをお勧めします


・ストレッチできないくらい痛みが強い
・腕や手に痺れを感じる
・力が入らない、入りにくい
・肩や腕が熱い、腫れている

上記の症状がある方は、腱板断裂・損傷、肩関節周囲炎、頸椎椎間板ヘルニアなどの可能性もあり、無理にストレッチすると症状を悪化させてしまう可能性があるので、整形外科を受診した上で適切な処置を受けることを優先させてください。

まとめ

今回は、肩こりに効果的な簡単なストレッチ方法をご紹介しました。

ストレッチは、一度おこなえばそれで良いわけではなく、継続して続けることで効果が得られます。事の合間にオフィスで、自宅でのリフレッシュに是非実践していただければと思います。

肩こりにお悩みの方は一度試してみてはいかがでしょうか?

(松井 洸)


▼ 参考文献
タイトル:Effectiveness of workplace interventions in the prevention of upper extremity musculoskeletal disorders and symptoms: an update of the evidence.
雑誌名:Occup Environ Med. 2016 Jan;73(1):62-70.
[PMID: 26552695]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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