10代に多い腰痛の原因と対策

10代の腰痛の原因と対策

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【記事のポイント】
1. 10代のカラダ・生活の特徴から腰痛を紐解く!
2. 腰を反る・捻る動きが多いスポーツは疲労骨折に繋がる?
3. 10代の女子が抱える悩み「カラダを細くしたい!」は危険!?

今回は10代に多い腰痛の原因と対策について解説していきます。

10代は子供から大人になっていく成長の準備段階で、様々なカラダの変化を伴う時期です。この時期にはどんなカラダの変化が起こっているのか理解することが腰痛予防の上で重要となります。

また10代のほとんどは学生です。この学生の時はどんな生活を送っていて、どこに腰痛を起こしやすい危険性があるか解説したいと思います。

10代の頃に発症しやすい腰痛として挙げられるものは以下の通りです。


■ 筋筋膜性腰痛症(筋肉や筋肉を包む筋膜に痛みを生じる腰痛)
■ 腰椎分離症(腰の骨の椎弓という部分に負荷がかかり、分離し、骨折した状態)
■ 腰椎椎間板ヘルニア(腰のクッションである椎間板が飛び出て、神経を圧迫した状態)
■ 腰椎椎間板症(椎間板に負荷がかかり、痛みを生じた状態)

10代に起こるカラダの変化「成長期」

10代の頃に起こるカラダの変化として、最も大きなものが成長期です。10代の頃には第二次性徴期(生殖能力を持つようになり子供から大人への心身の変化が見られる時期で、思春期と同時期である)が該当します。

第二次性徴期には身長が急激に大きくなります。この身長が大きくなるのは骨端線という骨の軟骨がちゃんとした骨に変化することで、骨が伸び、身長が伸びます。

レントゲンでこの骨端線が消失している場合は、骨の成長は完了していて、それ以上骨が伸びることはありません。

この骨が急激に伸びることが、10代の子のカラダに大きな変化をもたらします。

それは骨が急激に伸びることに対して、筋肉がその長さについていけないということです。この変化は多くは長い筋肉に起こりやすく、長い筋肉とは大腿四頭筋(太ももの前にある、主に膝を伸ばす働きをする筋肉)、ハムストリング(太ももの裏にあり、主に膝を曲げる働きをする筋肉)、下腿三頭筋(ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋で構成され、爪先立ちのように、足先を伸ばす際に働く筋肉)など下半身の筋肉が中心です。

この変化により、成長期を迎え終えた後の子は、下半身が急激に硬くなり、前屈したり、後ろに反ったりする動きがしにくくなってしまいます。

そのため下半身の動きが硬くなることで、スポーツや日常生活の動きの中で、腰に負担がかかるようになってしまい、この年代でも腰痛を発症してしまいます。

こういったことから、この年代の子は下半身のストレッチはいつも以上に入念に行う必要があるでしょう。

10代の学生生活は実はとてもハード?

次に学生の生活について説明していきます。

まず1つ訴えたい事は、10代の学生生活はとてもハードであるという事です。

なぜなら朝7時ごろに起き、ご飯を食べ、歩いてもしくは自転車で学校に行き、朝練をして、そこから朝から夕方まで椅子に座って授業を受け(途中放課や体育がありますが)、その後部活動を2時間ほどして、家に帰宅したら宿題があり、人によっては塾や習い事がある方もいるのではないでしょうか?

いかがでしょう?学生はいいよなと思うこともあるかもしれませんが、これを毎日するとなると、昔はあまり苦にしなかったかと思いますが、いま考えるとものすごくハードな生活だと思います。

学生といえど、日増しにカラダや精神の疲労は溜まっていきます。加えてスマートフォンやパソコン操作や授業中や家での姿勢、夜更かし、部活動や習い事などのスポーツといったように腰痛を起こしやすい要因がたくさんあります

ある研究では、家でのテレビの視聴やパソコン作業の際に、前かがみになったり、ベッドの上でうつ伏せで作業していると腰痛のリスクが上昇したと報告されています(詳しくは「こどもが腰痛を発症しやすい日常生活上の姿勢とは!?」をご覧ください)。

ただ、生活においての対策は、社会人の方と大きな違いはありません。

授業中の姿勢は、社会人がデスクワークをする時と同様に、背中が丸くなり、腰痛を発症しやすい姿勢になりがちです。学校の机や椅子のサイズにも注意し、カラダの成長に合わせて変更してもらうと良いでしょう。

また睡眠の質は慢性腰痛の改善に影響しているとも言われています。布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、寝てもすぐに目が覚めてしまい、熟睡できなかったりする人は、睡眠の質にも気をつけてみましょう。

良好な睡眠を取るために、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、適度な運動・ストレッチを行う、寝具(マットレス、枕)を変えてみる、などの対策をしてみましょう。

また、スクールバッグの重さも腰痛発症と関係することも分かっています。ある研究では、体重の10~15%の重さが推奨されています。(詳しくは「子供の腰痛予防のために推奨されるスクールバッグの重さとは!?」をご覧ください)。

10代の人が頭に入れておかなければならないことは、症状はカラダに出にくいかもしれませんが、疲労や負担は日に日に増していっています。若いからといって無理をし過ぎず、カラダのケアをすることも大切です。

10代がスポーツでなりやすい腰痛

10代の頃は、部活動が盛んで、学生生活の多くを部活動に費やすこともあります。

この年代のスポーツ時に起きやすい腰痛として「腰椎分離症」というものがあります。

この腰椎分離症は10代の骨の強度がまだ未熟な年代に発症しやすいもので、簡単に言えば腰の骨の疲労骨折です。

腰椎分離症はスポーツ中に腰を反ったり、捻ったりすることを反復して行うことで、腰椎の椎弓という部位に骨が接触し、徐々に骨が中から折れていきます。これが腰椎分離症です。

腰椎分離症の判定方法

診断を確定するにはMRI撮影が必須になります。レントゲンでははっきりしないことが多いです。

もしもっと簡単に判断したい場合は、うつ伏せで寝た状態で肘をつき、本を読むような姿勢をとります。この時には腰の筋肉の力は抜けた状態で、腰を反っています。これで痛みがある場合は、骨の痛みである可能性が高いです。

この姿勢は痛くなく、背筋を使って胸を床から浮かす動きをした時に痛ければ筋筋膜性腰痛症(筋肉や筋肉を包む膜に痛みが生じた状態の腰痛)の痛みの可能性が高いです。

この方法は骨の痛みか、筋肉の痛みかを簡単に判断するものですので、正確にはMRI画像を撮影することが重要です。もし痛みが長引いていたり、あまりにも痛みが強い場合は病院受診をお勧めします。

腰椎分離症の対策

コルセットによる固定

この腰椎分離症を発症してしまった場合は、コルセットを装着し、患部を固定しなければなりません。放置してしまうと、骨の治癒過程を邪魔してしまい、その折れた部位は二度とくっつかなくなってしまいます。

腰椎が分離した状態のままになってしまうと、腰の骨が過剰に動きやすくなり、将来的に「腰椎変性すべり症(腰の骨が前にすべり出てしまい、腰の神経の圧迫や関節の痛みが起こってしまうもの)」というものに発展してしまう可能性もあります。

胸郭と背骨を柔軟に保つ

腰の骨が反ったり、捻れて、骨同士があたり続けることで腰椎分離症になってしまうため、腰以外のその他の部位の反ったり・捻る動きを確保しておくということです。

その他の部位とは胸郭(肺を囲っている肋骨と胸の骨)・背骨と股関節をさしています。
「本来の腰の動きを理解して、腰痛を予防する」でも紹介したように、腰の骨の関節には動く範囲が決まっています。

しかし、この範囲以上の動きを腰が負担してしまうことで、このような腰椎分離症という状態になってしまいます。では今回は胸郭と背骨のストレッチについて紹介します。

<猫のポーズ>
①四つ這いになります。
②息を吐きながら、お尻を後ろに下げていきます。
③胸を床につけるイメージで、背骨を反るようにしましょう。
④息を吐ききったら、息を吸いながら元の位置に戻ります。
これを10回行いましょう。

<四股ねじりストレッチ>
野球好きな方は見たことがあるかもしれませんが、イチロー選手がよく行なっているストレッチです。
①四股を踏むような姿勢をとります。この時にしっかり胸を張り、お尻を後ろに突き出し、骨盤を立てるように意識しましょう。
②息を吐きながら、片方の肩を前に入れて、胸を捻ります。この時に両方の肘がしっかり伸びているようにしましょう。
③息を吸いながら、元の位置に戻り、反対も同様に行いましょう。
これを各10回ずつ行いましょう。

このようにストレッチして胸郭と背骨を常に柔軟な状態にして、腰の負担を軽減しましょう。

体幹を鍛える

腰がぐらぐら動かないように固めるということです。それには腹筋群を鍛える必要があります。その腹筋群の中でも特に重要なのは腹横筋・腹斜筋という体幹のインナーマッスルを鍛える必要があります(詳しくは「腰痛患者が鍛えるべき腹筋とは!?」をご覧ください)。

これにはフロントプランクをお勧めします。(以下「病院で腹筋と背筋のバランスが悪いと言われた!どういうこと?」より引用)

<フロントプランク(腹横筋と横隔膜、骨盤底筋群)>
・基本姿勢
第1段階はうつ伏せで両腕と両膝で体を支えます。両腕と両膝は肩幅に開き、肘が90度曲がっている位置で止めるようにしましょう。

この時のポイントは
◆ 横から見た時に姿勢がまっすぐなこと
◆ お腹を凹ませるように力を入れること
◆ 横隔膜を同時に鍛える場合は、この姿勢で腹式呼吸をしましょう
◆ 骨盤底筋群を同時に鍛える場合は、この姿勢で肛門を引き締め、尿を我慢するように力を入れましょう

第2段階は両腕とつま先で体を支えます。その他は第1段階と同様です。
この姿勢を最低30秒×3セット保てるようにトレーニングしましょう。

10代女子が悩む腰痛には体型へのコンプレックスが影響している?

10代女子が抱える大きな悩みとして体型の悩みがあります。

10代女子は思春期を迎え、外見に気を使うようになります。カラダが細くなりたい、小顔になりたい、脚を細くしたいなどなどがあります。

現在では、メディアに出てくる女性の憧れの的がモデルや女優で、あの人みたいになりたい!と思う気持ちはよくわかります。

しかし、この年代の女性は生理が始まったり、第二次性徴期により体型が変化したり、ストレスに敏感であったりと様々なカラダの変化が起こります。

それなのに、部活を一日頑張って、家に帰ってきても太りたくないからサラダしか食べない、一日一食もしくは二食にするなど無理なダイエットをしてしまいがちです。

こういった栄養不足による疲労回復の遷延部活による練習過多対人関係のストレスによる自律神経の乱れといった様々なものが重なり、カラダの筋肉は硬直しやすくなり、怪我をしやすくなります。

筋肉が硬直しやすくなれば、腰の筋肉も硬く循環が悪くなり、腰痛を感じやすくなります。また精神的なストレスは姿勢にも影響します。

精神的に落ち込んだり、イライラしたりすると人は前傾姿勢になりやすくなります。前傾姿勢になれば腰は曲がった状態になり、腰の筋肉が張り、椎間板も潰れて腰痛を発症しやすくなります。

この10代女子はまずしっかり食べることです。そして定期的な生理がくるカラダの状態がとても大事です。無理なダイエットはせず、ごく普通の食事量、睡眠、運動などの生活をするように心がけるようにしてみてください。

またこういったカラダの悪循環はPMS(月経前症候群)を併発したり、生理不順を招きます。

PMSの症状の中にも腰痛があります。そのため、PMSや生理不順を併発しているようであれば、ピルの服用により月経をコントロールしたり、PMSを改善する可能性がある栄養を摂取したりしてみてもいいかもしれません(詳しくは「月経前症候群(PMS)としての腰痛の対処法」「PMS(月経前症候群)で見られやすい5つの症状とは?」「カルシウムがPMS(月経前症候群)の症状に効く!?」「ビタミンB1がPMS(月経前症候群)に効く!?」をご覧ください)。

その他まれに10代にみられる腰痛の原因

その他にも腰痛の原因として先天的な背骨の異常である「二分脊椎」や脊椎の成長軟骨が剥がれてしまう「腰椎隅角解離」、骨が横に弯曲している「側弯症」などもあります。

これらの病気はレントゲンを撮影してみないと確定はできません。

腰痛があり、1週間経過しても症状が軽減しない場合は、無理せず整形外科を受診するようにしましょう。

まとめ

以上が10代に多い腰痛の原因と対策の紹介になります。

10代は勉学やスポーツ、習い事など日常生活は忙しく、さらに成長期という身体の構造が大きく変化する年代です。そのため腰痛に関わってくる因子も多岐に渡ります。

この時にいかに自分の体をケアしていくかが、今後の腰痛にも大きく影響してくることかと思います。

どこに注意すればいいかをしっかり見極め、最善の対策を取るようにしましょう。もし痛みが続くようなら、医療機関を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

(近藤悟司)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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