産業医と進めるコラボヘルスと健幸経営
アラカルト戦略で多様化する従業員の健康を支える

azbilグループ健康保険組合さま

アズビル株式会社 人事部長 石井 達雄 様(左)
アズビル株式会社 統括産業医 難波 克行 様(中央左)
azbilグループ健康保険組合 常務理事 三瓶 円 様(中央右)
azbilグループ健康保険組合 保健事業担当部長 倉重 浩 様(右)

azbilグループ健康保険組合は、アズビル株式会社をはじめとした12事業所を対象とする単一健保です。また、アズビル株式会社は2018年から7年連続で「健康経営優良法人」に認定されています。本日は、azbilグループの健康を支える人事部・健保・産業医の皆さまにお話を伺いました。

組織
azbilグループ健康保険組合
設立
昭和34年12月1日
加入事業所数
12事業所
被保険者数
8,032名(2024年12月末現在)
被扶養者数
6,454名(2024年12月末現在)
事業所
東京都港区浜松町
URL
https://www.kenpo.gr.jp/azbil-g

多様な職種と従業員の高齢化に応えるazbil流の「健幸経営」

 はじめに、事業内容を教えてください。

石井様(以下、敬称略):azbilグループは、理念に「人を中心としたオートメーション」を掲げ、総合オートメーションメーカーとして事業展開しています。製造業の中でも電気機器製造業に属しており、特色は研究開発、生産から販売、その後のエンジニアリング、サービスを全て行っていることです。

業態の特徴として、従業員の職種の幅が非常に広いことが挙げられます。工場勤務の従業員もいれば、長期にわたって建設現場で働く従業員もいます。また、営業で外回りをする従業員、 デスクワークをする従業員もいるため、その観点で、従業員の抱える健康課題も非常に多様であると考えています。

2018年から7年連続で「健康経営優良法人」に認定されていますが、アズビル株式会社さまの健康経営推進の背景を教えてください。

石井:創業当初よりazbilグループでは、社員は価値を創出する重要な財である「人財」と捉え、社員が働きやすい環境を整備するとともに、「人材から人財」へと育成を通じて人的資本強化を進めています。

2019年7月に「azbilグループ健幸宣言」を制定し、総労働時間の削減やハラスメント防止といった職場環境改善などの「働き方改革」、一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かす「ダイバーシティ推進」などの施策を展開しています。これら社員が健康で活き活きと仕事に取り組んでいけるようにするための総合的な取組みを「健幸経営」と定義し、人を重視した経営を進めています。

健康経営を推進していくうえで、どのようなことを大事にされているでしょうか。

石井:従業員の高齢化が進んでいるため、高年齢化する中でも、生産性をどうやって維持するかが大事だと考えています。年齢を重ねるほど病気になるリスクが高まる中で、
いかに病気をせず健康で生産性高く仕事ができるかどうかです。生産性というと、欠勤といったアブセンティーズムの話になりやすいですが、最近はプレゼンティーズムを中心とした対策の動きになってきています。社員のアンケートからも様々な健康課題がわかってきており、 プレゼンティーズムをはじめ予防的な取り組みを軸に進めています。

統括産業医の難波先生、産業保健活動で注力していることや大事にしていることを教えてください。

難波様(以下、敬称略):平均年齢が上がり、高年齢層の割合が多くなったため、生活習慣病や肥満、がんなどの健康課題が顕在化してきました。
あとは、どこの企業もそうですが、メンタルヘルスの問題もあります。

多様な課題が多くある中で、どの健康課題が大事かという点で取り組みを考えてきましたが、「今は何ができそうか」という点も大事だと考えています。そこには、健保と会社のニーズの高まり具合や、取り組みのタイミングなども関係します。我々が大事だと考え取り組んでいる施策も当然ありますが、なかなか受け入れてもらえないこともあります。世間や社会の考え方の変化や、それに伴う社内の意見の変化があることで、「今、その取り組みが実行できる」という流れで始められる場合もあります。

あとは、いろんな社員の声を施策に落とし込む工夫をしています。社員の声を集めていただいてるので、その声をもとに取り組みの優先度も考えています。健保や会社と、
2・3年先のことを考えて施策を打てるように、これらの活動を一緒に進めていく機会が増えていると感じています。

企業・健保・産業医が協働して進めるコラボヘルス

常務理事の三瓶様、azbilグループ健康保険組合として、注力していることをお伺いしたいです。

三瓶様(以下、敬称略):健康に関する取り組みを実りあるものにするために、コミュニケーションを重視する動きを各所で行っています。データヘルス計画の第3期を策定するにあたっては産業医の難波先生や人事部長と協力し、健保の理事長や議員の方々とのコミュニケーションも強く意識しています。議員の方々との組合会では「今期もどうぞよろしくお願いします」で終わってしまいやすい議論を、保険給付費が上がった理由や、健康づくりをどう実行していくかなど、しっかり議論できる状態にすることができています。

また、加入事業所が全国にあるため、アズビル株式会社とそれ以外の事業所では取り組みの進み具合が異なります。健幸アラカルト(後述)やAI姿勢健診の実施など、動きが活発ではあるものの、事業所毎に盛り上がり具合や実施状況は異なってしまいます。そこをなんとか刺激し、従業員の方々にとって興味のあるイベントを開催するなど、一緒に盛り上げていこうとする動きにもなってきました。

先日も京都の事業所で初めて工場内で女性のがん検診を試み、様子を見に行きました。アズビル株式会社以外のグループ企業での保健事業の進め方や予防的な関わりもポイントになりますし、コミュニケーションの戦略も変わると考えています。現在はコミュニケーションが活発になり、いろんな施策が取りやすくなってる状況です。

多様化する従業員の健康課題に寄り添う寄り「健幸アラカルト」

先ほどの話にも出てきましたが、貴健保の保健事業である「健幸アラカルト」について教えてください。

三瓶:健幸アラカルトは、コロナ禍によって自宅にいる時間が増え、なかなか身体を動かす機会のない時期の施策として始めました。健康課題が多様化する中で、自分が気になるプログラムを選んで利用する仕組みが保健事業に必要だと考え、アラカルト形式での実施を考えました。

睡眠・食事・運動にアプローチし、従業員はオンラインで気軽に自分の取り組みたいプログラムを選んで利用ができます。みんなが気軽に使えるものを用意しておくことで、健保の存在が身近になり、病気になった時だけ連絡するところではないことが伝わって欲しいとも考えていました。

なぜ「健幸アラカルト」にポケットセラピストをお選びいただいたのでしょうか。

三瓶:肩こり・腰痛が在宅ワークの人にとても多い悩みであり、療養費適正化の観点でも活用できるなら当健保に適していると考え、産業医の難波先生とよく話し合い取り入れることにしました。コロナ禍によりスマホやアプリで実施できるものが一気に増えたため、オンライン上で利用できることを重要視していました。

難波:以前の健保の取り組みは、大きい事業所だけでセミナーやイベントをすることが多くありました。そうすると、地方の社員の方々から「こちらでも実施してほしい」といった声が多く出たんです。その点、ポケットセラピストは全国どこでも場所問わずに利用ができるため、事業所の地域に関係なく提供できる点で魅力的でした。プログラム自体もしっかりしたものが提供される印象を持っていました。

ポケットセラピストの効果・評価ポイントをぜひ教えてください。

三瓶:対策プログラム動画が決められた時間に通知され、気軽に取り組めるのがいいですよね。 仕事の合間の切り替えにもなってメリハリがつくし、 体を動かすきっかけ作りと体を動かすことで心も軽くなるという声も伺ったことがあります。

石井:私自身のポケットセラピスト利用経験の話になるのですが、会社勤務時はラジオ体操が流れますが、在宅ワークだとそれがありません。そのため、対策プログラムを決まった時間にできるよう自分で設定を行い、その時間だけ仕事から離れて体操を行っていました。忙しい仕事の合間の気分転換にもなりましたし、自らスケジュールを決めて取り組める点で使いやすいと思っています。

ありがとうございます。ちなみに、募集をする度に参加者が多く集まっているかと思いますが、どのような工夫をされているのでしょうか。

倉重様(以下、敬称略):年に2回、ポケットセラピストの募集もかねたオンラインセミナーをバックテック社に依頼しています。直近では高齢化の課題を考え、骨粗鬆症をテーマに実施しました。次は、転倒予防のセミナー開催も予定しています。

毎回200名の申し込みがあり、参加者の満足度も90%を超え、大盛況です。セミナー内でテーマにあったポケットセラピストの活用方法も説明いただけるので興味を持つ方が多いと考えています。

運動習慣の継続と生活習慣病対策として”使い続けられる仕掛け”に期待

最後に、バックテック社・ポケットセラピストへの期待をお伺いしたいです。

三瓶:
運動は継続して取り組んでいきたいテーマとなるので、ポケットセラピストを通じて運動習慣の改善・向上に繋げて欲しいと思っています。加えて、減量をはじめとした生活習慣病対策としても活用できる方法があると嬉しいです。

ちなみに、ウォーキング大会などのイベントや特定保健指導に参加されない方々もいるので、健康無関心にどのようにアプローチしていくかも課題です。うまく巻き込める方法があればぜひご提案いただきたいです。

難波:まずはポケットセラピストを登録し、その後に継続して使うことが大事と考えています。しかし、中には続かない方もいるため登録した皆さんにより使い続けていただくための更なる仕掛けやアップデートに期待しています。

従業員の方々の多様な健康課題に、企業・健保・産業医の皆さまが奮闘していることがよく分かりました。本日はありがとうございました。

 

こちらの事例も、
あわせて読まれています。