セルフコンディショニングが要。コンサルティングファームが考えるテレワーク時代の健康経営とは?

アビームコンサルティング株式会社
社名
アビームコンサルティング株式会社
事業内容
マネジメントコンサルティング(経営診断・戦略立案・M&A・アライアンス)
ビジネスプロセス コンサルティング(業務改革・組織改革・アウトソーシング)
ITコンサルティング(IT 戦略・企画立案・システム開発・パッケージ導入・保守)
アウトソーシング
設立
1981年(昭和56年)4月1日
資本金
62億円
売上高(連結)
2020年3月期 932億円
2019年3月期 858億円
2018年3月期 748億円
従業員数
6,646名 (2020年4月1日現在 連結)
事業所
13の国と地域29拠点(2020年9月1日現在)
URL
https://www.abeam.com/jp/

 

お話を伺った方

この度は、アビームコンサルティング株式会社の北林さま、安倉さまにお話をお伺いしました。

事業内容について教えてください。

アビームコンサルティング | 健康経営 | 肩こり | 腰痛 | ビジネスアスリート
(c)ABeam Consulting

マネジメントコンサルティング、ビジネスプロセス コンサルティング、ITコンサルティングなど一貫したコンサルティングサービスを実施している会社です。アウトソーシングも行っています。

どのような経緯で健康経営に取り組むようになったのか教えていただけますか?

弊社では2014年から、健康経営支援室を設定し、パフォーマンス向上を目的とした健康施策を行っていました。
本格的に健康経営の取り組みを始めたきっかけは、社内のイノベーションコンテストです。
そこで、健康経営をテーマとしたクライアント向けの企画が最優秀賞となったことで、全社として健康経営への取り組みを始めたというわけです。
2017年には、健康経営を推進する組織「WBI(ウェルビーイング イニシアチブ)」を立ち上げました。

きっかけとなった最優秀賞を獲得した企画とは、どういったものでしょうか?

弊社は、企業の基幹業務に関するコンサルティングを得意としています。
そこで社員の健康増進やヘルスケアを経営目線で考え、データドリブンで課題をあぶりだして適切な経営判断につなげていくといったものです。

では、健康経営に取り組むようになってから、社員の皆さまの意識に変化はありましたか?

そうですね、社内アンケートで、健康への意識や行動がどれくらい変わったかと調査したところ、約8割の意識が変わったということがわかりました。行動まで移したというのは約6割でした。
職場での共通の話題にもなって、社内のコミュニケーションが活性化したという効果もありました。
「禁煙始めました」「ダイエット始めました」という人も多いですね。というのも、実際に現場のコンサルタントたちがイニシアチブに参加して健康経営の施策を検討しているからでしょう。
人事が主体的にやっているというよりは、現場が一緒になって健康経営を進めています。

WBIのチームとは、どういったチームでしょうか?組織の中にあるのでしょうか?それとも有志を募って結成されたのでしょうか?

WBIのチームリーダーは、現場で働くコンサルタントが本業と兼任しています。毎年サポートメンバーを募集し、チームを結成しています。チームには健康支援室に所属する専門職のメンバーを配置し、専門知識の提供や運営のサポートをしています。
弊社では「Business Athlete」という考え方に基づき、4本柱のイニシアチブ(スマートワーク、ダイバーシティ&インクルージョン、ウェルビーイング、ソーシャルコントリビューション)を立ちあげています。
知的労働の対価としてコンサルティングフィーをいただいているプロフェッショナルとして、自らアスリートのようにコンディションを整えてパフォーマンスを上げていく必要があるというのが、「Business Athlete」という考え方です。

そこで、「ポケットセラピスト」の導入に至った具体的な理由は何ですか?

アビームコンサルティング | 健康経営 | 肩こり | 腰痛 | ビジネスアスリート
(c)Abeam Consulting

弊社では、「Business Athlete」として自らのコンディションを把握し、自身でコンディションを改善していこうというPDCAサイクルを回せる取り組みを行っており、BACL(Business Athlete Conditioning Level)アプリを構築し、社員に提供しています。
その調査結果によると、社員が健康について困っていることの上位1・2位は、「肩こり・腰痛」でした肩こりや腰痛はメンタルへの影響が大きいため、メンタルヘルス対策になるということもきっかけになり、ポケットセラピストを導入しました。
さらに、一人ひとりの肩こりのタイプに合わせて適切な取り組みができる点、データを収集することで社員の悩みに効果的にアプローチできる点、最終的にはクライアント向けのサービスに活かせるかもしれない、という点も導入の決め手でした。
中間レポートからは、継続している社員は確実にすべての数字が改善していることがわかりました。継続している社員は生産性に良い影響が出ることまで把握できたので、投資対効果は得られたと考えています。
実際に利用した社員の声として印象的だったのは、「ちゃんと自分の問題にフィットするアドバイスをもらえた」というところですね。そういうところが差別化の要因だったのかなと思っています。最初のうちに「地蔵型」とか、タイプチェックできるじゃないですか。あれで「自分は何型」とシェアし合って盛り上がっていましたよ(笑)

COVID-19の影響を受けて、働き方の変化や健康経営上の課題はありますか?

COVID-19の影響を受け、多くの社員が在宅勤務を開始しました。弊社では、COVID-19以前からBACLアプリによるコンディションアンケートを行っていましたので、緊急事態宣言中、そしてwithコロナ時代に入ってからの社員の状況を継続的に確認することができていました。
在宅勤務を開始した直後は「肩こり・腰痛」で困っている社員が増えましたが、その後、少しずつ低下してきました。とはいえ、健康について困っていることの上位には現在もランキングされています。さらに作業環境の変化による運動不足、体重増加、メンタルヘルス対策など課題は多いといえます。

withコロナ時代にポケットセラピストに期待していることがあれば教えてください。

現在、出社率が約2割(インタビューは2020年6月に実施)です。それ以外の多くのメンバーは、1日中家の中でPCと向き合っています。オンライン会議なども多く、眼精疲労が増えています。
ポケットセラピストは、肩こり・腰痛のみならず、眼精疲労の回復やメンタルヘルスケアの一環としても活用できるため、非常に守備範囲の広いアプリだと思っています。継続できれば、さらに効果は上がるでしょう。
おそらく弊社の社員の傾向だと思うのですが、日頃から「成果に対する徹底したこだわり」を求められている環境の中、完璧主義タイプが多いかもしれません。忙しくてポケットセラピストのセルフケアのメニューに取り組めなかった日があると、「もう今からやっても仕方がない」と思ってしまいがちかもしれません。数日できなかった日があっても、気軽に再開できるようになれば、さらに良い結果につながるのかなと思っています。

最後に従業員の皆さまに向けてのメッセージをお願いします。

働き方が期せずして変わったことはネガティブなことではなく、むしろ新しい働き方を始められるチャンスと捉えたいと思います。
自由に働くためには、各自でパフォーマンスを維持・向上するためのコンディションを整え、環境を活かしていく力が求められているのかなと個人的には思っています。
こういうときだからこそ、WBIで社員一人ひとりのニーズを聞き、誰も取り残さずにサポートできる仕組みを考えていきます。ぜひ、皆さんの声を聞かせてほしいです。

その他の事例を見る