カラダとメンタルのアプローチで「個の輝き」を支援
先進的なコラボヘルス体制がもたらす個人と組織の活性化とは

渕上 武彦 様 コニカミノルタ健康保健組合 事務長 兼 人事部健康推進グループ(右)
大楽 享平 様 コニカミノルタ株式会社 人事部 健康推進グループ(左)

コニカミノルタ健康保険組合は、コニカミノルタグループの国内20事業所を対象とする単一健保です。また、コニカミノルタ株式会社は「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2017年以降連続して認定され、「健康経営銘柄」には、2015年以降計7回選定されています。企業と健保の協働によるコラボヘルスの推進に力を入れており、プレゼンティーズムに特化したチームがあります。本日は、プレゼンティーズムチーム4名の皆さまにお話を伺いました。

組織
コニカミノルタ健康保険組合
設立
1938年1月1日
加入事業所数
20事業所(2024/2/1時点)
被保険者数
12,200人(2024/2/1時点)
事業所
東京都八王子市
URL
http://www.konicaminolta-kenpo.or.jp/index.html

コニカミノルタ健康保険組合 人事部健康推進グループ 保健師の井関様、山元様

井関 華子 様 コニカミノルタ株式会社 人事部 健康推進グループ 保健師(左)
山元 千春 様 コニカミノルタ株式会社 人事部 健康推進グループ(右)

全ての従業員とその家族の幸せのために
3つのフレームワークで健康経営推進

はじめに、事業内容を教えてください。

渕上様(以下、敬称略):経営理念である「新しい価値の創造」のもと、1873年の創業以来培ってきた多彩な技術を活用し、さまざまな分野で事業を展開しています。

具体的には、事業を支える4つの「コア技術(材料分野・光学分野・微細加工分野・画像分野)」をベースに、人びとの「みたい」という想いに応え、新しい価値を創造しています。
また、4つの事業(デジタルワークプレイス事業・プロフェッショナルプリント事業・インダストリー事業・画像ソリューション事業)でジャンルトップ戦略を推進し、社会課題の解決に貢献している会社です。

海外売上高比率は85%、約150ヶ国以上で事業を展開し、日本以外に欧州・北米・アジアの約50ヶ国に拠点があることも特徴です。

現在、保健事業で注力していることを教えてください。

渕上:従業員の高年齢化によるフィジカル面でのハイリスク者の増加やメンタル不調による休務者増加の課題があります。そのため、保険給付費の増加抑制や会社の生産性低下を限られたリソースで抑制することが重要となっています。

これらの課題に対応するため、会社と健保組合が一体となった「コラボヘルス体制」による取り組みを2012年からスタートしました。国の健康戦略であるデータヘルス計画よりも1年先駆けた2014年度より会社施策として3カ年の健康中期計画を開始し、現在は2023年から4期目を遂行中です。

 「従業員が認識している組織的な健康支援(=POS-H:Perceived Organizational Support-Health)の多さは、業績に正の相関がある」という理論に基づき、個人と組織の生産性と活力の向上を目指しています。

注力している保健事業についてお話になる渕上様

 国の施策よりも先んじて、コラボヘルスの推進の取り組みをされていらっしゃったのですね。健康推進の体制はいかがでしょうか。

渕上:会社と健康保険組合のリソースを最大限活用できるよう、施策立案と実行をコラボヘルス体制で推進しています。もちろん、産業医・看護職とも連携し、場合によっては経営層も含めて迅速な意思決定を行っています。
さらに、コラボヘルス研究会などの外部コンソーシアムや研究機関等と連携し、生産性と関わりの深い指標に基づいた健康経営を推進していることも特徴的です。

具体的な取り組みとして、3本のフレームワーク「組織健康度の向上」「プレゼンティーズムの低減」「アブセンティーズムの低減」を置き、さまざまな施策を展開中です。
その中でも「プレゼンティーズムの低減」に関しては、生産性の向上に関連性の深い「身体活動(運動・歩行)」 「食事(朝食摂取・補食)」 「睡眠」 および「首肩こり・腰痛・眼精疲労」などの対策を中心に展開しています。

従業員の健康と組織のパフォーマンス向上を目指して
プレゼンティーズムチームが語る、活動の難しさとは

本日、ご出席の皆さまは「プレゼンティーズムの低減」に特化したチームだと伺っています。

渕上:そうです。従業員の心身の健康推進と組織健康度の向上により、生産性やパフォーマンスを向上させることが重要な経営課題と認識していますので、各施策がより効率的かつ効果的に運用できるよう、各担当メンバーの経験・専門性・知識の強みをフルに活用し、企画や工夫(仕掛けづくり)を進めています。

専門性の観点では保健師の井関さん、どのようなことを意識して活動をしていますか。

井関様(以下、敬称略):プレゼンティーズムの低減は幅が広く、視野を広く持たないとアプローチが難しいと感じています。そのため、アブセンティーズムや組織の風土をふまえ、さまざまな提案をしていくことが求められます。
私は専門職として、医学的な知見・エビデンスを元に活動を進めていくことに役割があると認識しているので、看護師時代の経験や産業医からの学びを私自身が吸収してチームに共有することで、”みんなで学びながら創意工夫していく”という意識を持って活動しています。

肩こりといったカラダの不調は身近なテーマではありますがアプローチが難しく、やりがいのある大きなテーマだと感じています。

やりがいを感じつつも、難しさは当然あると思います。山元さん、大楽さんはどのような点で難しさを感じていますか。

山元様(以下、敬称略):そうですね。仕事が一番で健康は二の次という従業員もいらっしゃいます。そんな中で、やはりイベント開催時は健康に関心が高い人ばかりが集まるので、無関心層へのアプローチに難しさを感じています。少しでも多くの従業員の方々に関心を向けてもらいたいと、日々試行錯誤しています。

大楽様(以下、敬称略):イベントも実施するだけでなく、行動変容に繋げていく必要性があります。健康に興味・関心がある従業員は自主的に行動変容に繋げることができますが、リテラシーの低い方にどうアプローチしていくかという部分で難しさを感じています。

心身の痛みの解消は、従業員の人生を輝かせる
ポケットセラピストがもたらした「うつリスク低減」

健康無関心層やリテラシーの低い方々へのアプローチが難しい中、プレゼンティーズム対策としてポケットセラピストを導入されたかと思います。
どのような背景があったのでしょうか。

渕上:従業員一人ひとりに、しっかりと寄り添えるプログラムとして「ポケットセラピスト」を導入しました。 働く一個人の視点に立って「人生を輝かせるために、何が必要か」と考えた結果です。
なぜなら、当社の「プレゼンティーズム(コラボヘルス研究会)」の分析結果によると、プレゼンティーズム、つまり従業員が心身の不調のためにパフォーマンス(職務遂行能力)が低下することの要因は、「首・肩痛41%」「眼の不調34%」「腰痛26%」の順に多いことが分りました。

つまり、「一個人の心身の痛みや不安を解消すること」「従業員一人ひとりがやりがいを持って輝ける企業」に近づく手段であり、最終的には生産性の向上につながっていくと考えています。 

また、コニカミノルタでは「働き方改革」も先行して進めており、リモートワークをベースに「いつでも・どこでも」働ける環境が整備されています。全世界で活躍する駐在員がいる企業でもあり、多様な働き方が社内に広がっていくなかで、「いつでも、どこでも利用できる健康促進プログラム」としても魅力的でした。

心身の痛みや不安を解消することが生産性の向上につながるとのことですが、実際にどのような効果が出ているのでしょうか。

渕上:2024年の第64回産業精神衛生研究会の発表内容となりますが、筋骨格系症状を有する勤労者を対象とし、筋骨格系症状と合併しやすいうつリスクに対する介入において「うつリスク低減効果」が認められました。

 「うつリスク低減効果」が認められたのですね。保健師の井関さんは、ポケットセラピストをどのように評価していますか。

井関:毎日、首や肩が痛いと思いながら仕事をしていると、パフォーマンスが上がらないことに対する不安が募ったり、病院や整体に行っても原因がよく分からず気持ちが落ち込んでしまうことがあります。

そんな状況の中でポケットセラピストは、医療職による伴走支援があるため、安心感があると思います。フィジカルとメンタルの両方にアプローチできることは魅力的ですし、ITがこれだけ普及している今、首肩こり・腰痛などの痛みは減ることはないと医学的にも言われているため、心強いサービスだと感じています。

ありがとうございます。山元さんは、実際に利用者の方のお声などを聞いてどのように感じていらっしゃいますか。

山元:「常に身体の状態を気にする習慣がつきました」、「長年足を痛めて乗れなかった自転車に乗れるようになりました」、「体だけではない、心の持ちようで実は体調も良くなるということが分かりました」などのポジティブな声を聞いています。

やはりポケットセラピストはニーズが高く、使い方が多岐にわたることから、従業員の健康・幸せ・喜びの実現を目指す上で欠かせないサービスだと考えています。

ポケットセラピストへ、輝く個が組織を強くする
「個の自走」の実現に向けたサポートへの期待をお話しされる井関様、山元様

輝く個が組織を強くする
「個の自走」の実現に向けたサポートにも期待

従業員の皆さまの人生が輝き、組織の活性化を目指している中でポケットセラピストへの期待を教えてください。

大楽:フィジカルの不調を抱えながら業務に励んでいる従業員など、本来届けるべき対象者でありながらも関心がなく、十分にポケットセラピストを利用できていない方々へアプローチできる方法を一緒に探っていただきたいです。

渕上:生産性の向上や医療費削減といった数値的な期待があることは言うまでもありませんが、目指す本来の姿はその先にあります。 今、コニカミノルタが目指していることは、「グローバルでの戦いに打ち勝ち、サステナブルな成長を実現すること」です。
つまり、私たちが最も大切にしているのは、「人財力UP」つまり「個が輝くこと」です。従業員一人ひとりが、やりがいや働きがいをもって、輝き続けられる環境を磨き上げて行きたいと思っています。

従業員一人ひとりの「個の自走」は大きなテーマでもあります。ポケットセラピストは単なる1つの健康促進プログラムとしてだけではなく、あらゆる側面からサポートしていただける伴走者として我々に寄り添っていただけることを期待しています。

プレゼンティーズムチームの皆さまが熱い思いをもち、それぞれの強みを活かして活動していることがよく理解できました。引き続き、尽力してまいります。本日は、お時間をいただきありがとうございました。

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