従業員の健康こそが生産性を産む 今後の従業員の健康の維持、また健康に関心をもって もらうための対策 保健事業での課題とは?

リケンテクノス健康保険組合
社名
【リケンテクノス株式会社】(東証一部上場)
事業内容
合成樹脂加工に係る総合的な技術をベースに「コンパウンド事業」「フイルム事業」「食品包材事業」の3事業を柱に国内外で事業展開“科学の力のチャレンジメーカー“として、多様化・高度化するお客様や社会のニーズに適合した高品質な製品・技術を提供
設立
1951年3月30日
資本金
85億14百万円
売上高(連結)
978億13百万円(2019年3月期)
従業員数(連結)
1,882名(2019年3月末現在)
事業所
本社(東京)大阪支店 名古屋営業所 工場(埼玉、三重、群馬、名古屋)
海外(アメリカ、中国、タイ、インドネシア、ベトナム、オランダ、韓国、インド)
URL
https://www.rikentechnos.co.jp/

お話を伺った方

この度は、リケンテクノス株式会社健康保険組合の高橋さまと佐久間さまに詳しくお話を伺いました。

従業員の健康課題に着目する理由

楽しくわくわくしながら、仕事ができたら素晴らしいと考えます。目標を達成するためには、努力・熱意が必要なのはいうまでもありませんが、最も大切なのは健康であることです。健全な精神は健康な体に宿っており、心と体が一体となって、健康が作られています。

従業員は常に様々なプレッシャーやストレスを感じながら、仕事に従事しています。病気や体調不良により会社を欠勤するアブセンティーイズム、心身の状態の悪さから生産性がなかなか上がらない状態のプレンゼンティーイズム(疾病就業)は会社の生産性があがらず、大きな損失となると考えています。

そのために、会社としては従業員の健康を第一に考えます。「どうやったら楽しく仕事ができるのか。」それは従業員の心と体が一体となった時に実現します。そのために健康保険組合の立場としてバックアップをしているのです。

データヘルス計画をされる中で重点課題に置かれているのはどこでしょうか?

主に以下の3つを意識しています。

  • 特定検診受診率、保健指導実施率の目標達成
  • BMI≧25以上の割合率減少
  • コラボヘルスがし易い環境整備

この中でも特に、BMI≧25以上の割合率を減少させることに重点を置いています。現在、肥満率(BMI≧25)の割合が40%と高いので、2020年度には肥満率30%、2023年度には肥満率20%を目指す。肥満率割合の減少は、生活習慣病の改善成果であるとの認識です。

保健事業での課題を解決するため、ヘルスリテラシーが重要とお聞きしましたが、アンケートの返答率が1桁台と関心がとても低い状態です。従業員の方の関心を増やすために取り組んでいることはありますか?

ヘルスリテラシーとして「生活習慣病に起因する病気や改善指導」の小冊子やチョットした時間で「運動不足解消」ができる小冊子を配布しています。また、アクティブウォーキング(青柳式・早歩き健康法)万歩計を運動不足解消ツールとして配布しています。

HPやポスター等その都度周知に努めていますが、多忙なようで関心が低いのが現状です。
病気や怪我で当事者になった時、健保組合の存在を知ることの方が多いとの認識で、事業主や実務担当者の協力を得、連携し、地道に関心を得られる努力を諦めず継続していきます。
例として、事業主とコラボしてウォーキング対抗戦等のインセンティブ付きの参加型イベントなどを検討しています。

肩こりや腰痛に対してデータはとられていますか?

特にとっていません。

なぜポケットセラピストを導入したのでしょうか?

こりや、腰痛は多くの人が大なり小なり抱えているのではないでしょうか。だからこ そ、弊社従業員にとっても貢献大なのではないかと考えました。また、アプリで肩こりや腰痛の原因を分析し、治療に活かされ、肩こりや腰痛の予防に役立てることができれば素晴らしいことだと思います。

また、組合員全員がスマホ等でも参加できるアプリなので、コストパフォーマンスもいいと思います。アプリが自由に使えることから、興味を持ち、自分の生活習慣を振り返るきっかけになればとも考えました。
コンソーシアムなので他の組合との情報連携を図ることも魅力です。

ポケットセラピスト導入により期待していること

データをいつでも見ることができるので、自分自身の肩こりや腰痛に対して見直すきっかけとなっています。またアプリを使っていると、周りの人達も興味を示すようになりました。お互いに、骨折や肩こり・腰痛の経験談などを話すきっかけとなりました。

そのことにより、良い病院を紹介し合ったり、相手のことをより気遣えるきかっけにもなりました。今後も一人一人が健康に対する意識を持つ良いきっかけになればと考えています。一人アプリを使ったことにより、肩こりの状態が良くなったと知れば、だんだんとアプリの認知度はあがると思います。

さらにポケットセラピストにはオンライン窓口があり、困った時に相談できることが認知されればよいなと考えています。
今後アプリのデータやチラシなどを持って、各事業所を周る予定です。現状は優先順位が低くても、今後、一人でも多くの人がアプリを使うことにより、自分の健康について考えてもらえればと思います。

こういった作業を一人ずつでも声をかけていって、興味を持つ人が増えれば良いなと思います。

海外の事業所様に対して何か対策をされていますか?

リテラシーに関する書類など健保組合での配布物は、担当部署で社内から出向した人全てに送付をしています。
ポケットセラピストの案内は、ホームページに掲載をしているので、海外に出向している人達も見ている可能性があります。

他健保との交流や勉強会は価値があるとお考えですか?

もちろんあると考えています。勉強会での内容はとても参考になります。健保組合の業務上の悩みは、健保組合同士が一番理解しています。特に「どうやったら参加してくれるのか」の勉強会は、参考になることが多かったです。特に弊社のような小規模健保組合は3名しかおらず、そこまで考えている余裕がない状態だったので助かります。

被保険者様に伝えたいメッセージをお願いします。

現状、多くの人は、病気や怪我をしたときに健康であることの大切さを実感し、快復すると忘れてしまうようです。総じて、健康に対する優先順位が低いように思います。だからこそ、時々自分の健康に対し、見つめなおす時間をもって頂きたいものです。
自分の健康は自分が作り、守るもの!!

データヘルス計画に弊社の肩こり腰痛対策を入れていただいた要因を教えてください。

肩こり・腰痛は多くの人が大なり小なり抱えており、弊社従業員にも受け入れ易いのではないかと思いました。また、アプリ(ICT)を皆で共有できることです。アプリを見て、自分の健康状態を知ることが習慣となり、肩こり・腰痛対策を通じて皆が健康に対して興味を持って貰えるのではないかと考えたからです。
ポケットセラピストは、コストパフォーマンスも良く、健康に対する意識を高めるためのツールと考えています。
肩こりや腰痛は、メンタル面からも発症するとのことです。メンタル面の解決につながるツールにもなるのではないかと期待しています

今後の保健事業含め加入者の健康増進施策の方針について

健康は心と体が一体となって作られています。だから、コラボによる心身ともにバランスの取れた、加入者が楽しみワクワクして参加し易い保健事業となる環境作りを目指しながら推進していきたいと考えています。
つまり、関係者と協議・実行を繰り返しながらの「第二期データヘルス計画」の完遂です。

具体策

2019年度

  • 第二期データヘルス計画の実施
  • 全事業所訪問(安全衛生委員会等の会議参加)
  • 事務担当者勉強会(対象者全事業所)
  • 経営会議報告(第二期データヘルス計画、スコアリングレポート報告)
  • 健康に関する講演会開催
  • ウォーキングイベント開催

*健康は自分の為ならず!!始めよう健康のための1日1行動!!
健康は自分だけでなく、社会にも大いに貢献しています。そして、自分も元気になります。
生活習慣の見直しで自分の健康生活をエンジョイして下さい。

今後の方針をもって締めくくってくださいました。