「シオノギ健康宣言」に込められた会社の思い。コラボヘルスで効果的に実践

左から森口常務理事さま、岡野事務長さま

塩野義健康保険組合
組織
塩野義健康保険組合
事業内容
塩野義製薬株式会社を母体に、シオノギグループ12事業所を包括した保険業務の運営
設立
1944年4月
加入事業所
シオノギグループ12事業所
被保険者数
5401人(2020.3.1現)
事業所
〒541-0045 大阪市中央区道修町4丁目7番6号 シオノギ道修町ビル
URL
http://www.shionogi-kenpo.or.jp/index.php

 

お話を伺った方

この度は、塩野義健康保険組合の森口常務理事さま、岡野事務長さまにお話をお伺いしました。

事業内容について教えてください。

塩野義 | 健康経営 | プレゼンティーイズム | ポケットセラピスト

塩野義健康保険組合は、1944年4月、塩野義製薬株式会社を母体として設立されました。
現在は、医薬品、臨床検査薬・機器の研究、開発、製造、販売などを行うシオノギグループ12事業所を包括して、保険業務を運営しています。

シオノギでは、「健康宣言」を2014年に制定し、2018年にアップデートしました。
薬を通して健康を提供する企業として、従業員一人ひとりが自らの健康維持・増進への意識を高め、イキイキと仕事に取り組むという健康風土づくりを進めています。
それにより特定保健指導からプレゼンティーズム改善まで、従業員とその家族の健康管理のための幅広い支援を、事業主と健保(健康保険組合)がコラボして効果的に実践しています。

従業員の健康課題に着目する理由

第一に、健康宣言制定以前から続く「経営者トップの従業員の健康に対する強い思い」があります。
禁煙やウォーキングなど、従業員の健康を思う社長から従業員へ、直接メッセージを出しています。

健康課題については、特定保健指導や重症化予防の取組みの進捗率に注目されることが多いですが、そこに至る前段階での経過や予防の重要性にも着目しています
製薬企業として人々の健康に関わる従業員としての自覚をもち、自己管理する風土を作ることを大切にしています。
そのため、頑張っている人の応援としてヘルスアップ成果に対するインセンティブ制度を導入しており、運動促進、生活習慣の改善もポイント付与の対象になっていて、そこで得たポイントを福利厚生ポイントに変換できるシステムを用意しています。ポイントで交換できる選択肢には、ギフトカードや各種グッズの他社外寄付にも交換できるなど、あらゆる世代に対応した動議づけになる工夫をしています。始める前に比べると明らかに運動習慣が高まっていますし、喫煙率は激減しました
2020年度末には事業所内禁煙を達成するという指標を、健康宣言でも公表しています。

一般的には、病気になったら健保から給付があるものですが、弊社の場合は、健康を維持・改善・増幅するとポイントがたまるという一面もあります。
この健康促進のWebサイトへの登録率は被保険者の85%、実際にポイント利用している人も6割くらいあり、年々定着してきたという印象です。

保健事業での課題を教えてください。

「シオノギ健康宣言2018」で掲げた、ハイリスク・アプローチ、セルフメディケーションの活性化、ポピュレーション・アプローチ。この3つの目標を達成することです。

従業員一人ひとりが意識するのは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な不調であれば、自分自身でストレッチを行うなどして改善できる能力を身に着けること。
健保としては、運動・睡眠・栄養の大切さを伝え、生活習慣の改善を図るよう働きかけること。これを継続していくことで、グループ全体が健康になれるというイメージです。
今後は、睡眠の質の改善や、節酒による肝機能の改善にも取り組みたいと考えています。

なぜポケットセラピストを導入したのでしょうか。

塩野義 | 健康経営 | プレゼンティーイズム | ポケットセラピスト

「シオノギ健康宣言2018」の重点ポイントとして、従業員一人ひとりのパフォーマンスを向上させるために「プレゼンティーズム損失の改善」が明示され、そのためにはどうすればよいかということを考えました。

そこで、「肩こり・腰痛」の対策として、ポケットセラピストの導入を検討しました。社内アンケートでも特に多い悩みです。
そこで、1カ月間のトライアルのお話しをいただいて試したところ、短期間でも非常に手ごたえがありました。
2018年12月から翌1月という年末年始というイレギュラーな時期だったのですが、肩こり・腰痛の改善効果が高いことが解り、導入を決めました。

正規コースのスタートは2019年7~9月でしたが、肩こり・腰痛の改善の他、運動習慣・睡眠についても改善が認められる成果を得ました。

塩野義 | 健康経営 | プレゼンティーイズム | ポケットセラピスト
(c)BackTech Inc.

塩野義 | 健康経営 | プレゼンティーイズム | ポケットセラピスト
(c)BackTech Inc.

ポケットセラピスト導入により期待していること

ポケットセラピストを導入して、弊社の分析でも効果がでていることは分かったのですが、長期的な視点で改善していける施策を提示していければいいなと考えています。慢性的な痛みのある参加者が途中で中断せずに継続していけるような取組みなどですね。

直接セラピストに悩みを相談できるシステムがあり、利用者が多く活用されている状況も判りました、話を聞いてもらうだけでストレスの軽減になる効果もあって、それで身体の不調が軽減されるというようなこともあるのではと思っています。セラピストとの相性などもありますので、途中で担当を変更できることや、忙しくてコミュニケーションを中断していても、いつでも復帰できることなども、もっと広く知られて利便性が高まればよいと思っています。

また、肩こりが改善することによって個人のパフォーマンスが向上し、それが経営へどのように還元されていくのかがデータでわかりやすく閲覧できるようになると、健保としても可能性が広がってありがたいですね。

今後の保健事業含め加入者の健康増進施策の方針について教えて下さい。

健康意識の醸成を重視し、生活習慣病の重症化や指導対象に至らないための予防対策に務めます。
もし指導レベルになった場合は、その重篤性を自覚してもらい、短期間で卒業を目指すこと。健康維持のための行動を支援していく施策については、さらに強化していきます。

最後に加入者の皆様に向けてのメッセージを一言お願いします。

健康保険業務に携わる職員として従業員に伝えたいのは、「健康でいられる今が健康習慣を身に着けることができる絶好のチャンス」だということです。
皆さんが健康を維持できる力を身に付ければ、皆さんがHappyになります。個人もHappy、家族もHappy、日本もHappyになれるのです
就労中はもちろんですが、退職した後も、国民保険加入者や後期高齢者保険適用者となっても、健康な心身を維持していけるように、健保ではさまざまな応援をしていきたいと思います

健康寿命を延ばして、生涯に渡って快適に暮らしていきましょう。そのために、ぜひもっとご自身の健康に、興味を持っていただきたいです。

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