加入者に、元気に活き活きと暮らして欲しい!

上段:左から松井さま、津田さま、山本さま
下段:左から舟久保さま、中家さま、眞野さま

内田洋行健康保険組合
組織
内田洋行健康保険組合
加入事業所
(株)内田洋行グループ22事業所
設立
昭和46年10月
被保険者数
3,656人(平均年齢44.50歳)
事業所
〒104-0033 東京都中央区新川2丁目12番15号 ヒューリック八丁堀ビル
URL
http://www.uchidakenpo.or.jp/index.html

お話を伺った方

内田洋行健康保険組合の松井さま、津田さま、中家さま、舟久保さま、山本さま、眞野さまに詳しくお話を伺いました。

事業内容について教えてください

内田洋行は、学校、官公庁、自治体、民間企業に、働く環境、学ぶ環境を提案し、創造していく会社です。オフィス環境や、学校、公共施設のハード面からソフト面まで、今ではICT関連事業が60%を占めています。
人々が活き活きと学び、働ける環境をデザインし、実現しています。当グループは、加入者の健康管理は健保が率先して進めてきたため、「健康のことは健保」という意識が強く、健診受診率は98%以上、特定保健指導の実施率も58%となっており、健保と加入者の距離がとても近いのが特徴です。

かなり前になりますが、以前は母体各本支店の人事総務部門が健康診断の実施をしており、人事総務部門の担当者が積極的に受診勧奨を行うなど、社員の健康診断受診に対して熱心に取り組んできたのです。
健康診断業務が健保に委託されることになっても、その習慣は引き継がれ、加えて健保と事業所のコラボによる様々な受診勧奨活動ができるようになりました。

従業員の健康課題に着目する理由

生活習慣病のリスクを見える化し、保健師からのハイリスクアプローチ、事務職を含めた健保スタッフ総動員でのポピュレーションアプローチを展開しましたが、リスク者を減らしても、また翌年、新規のリスク者が現れ、リスク者は結局毎年100名前後を推移しているというイタチごっこの現状が明らかになりました。

具体的には、透析、血糖値、血圧、脂質など2013年から取り組んでおり、2013年の時点で高リスク者が109名いました。109名に対して保健師が指導を強化(ハイリスクアプローチ)することにより、37人まで該当者が減りました。72名が卒業したのです。脂質21名はゼロになりました。
一方1年のサイクルの中で、あらたに高リスク者が57名増え、結果的に高リスク者が94名になり、また大きな悩みができたのです。
この57名に対しても、また改善をするのですが、今後高リスクの対象になる人を減らしたいと考えたのが従業員の健康課題に着目する理由です。

この状況を打破するために、健康リスクごとに様々な保健事業を展開しています。

保健事業での課題を教えてください

加入者・事業所が、やらされているのではなく、自ら「これならできる!やってみたい」 ということを一緒に探し、意識変容、行動変容につながる保健事業を心がけています。
課題解決に向けて「運動促進」「食事コントロール」「血管年齢・自律神経測定会」「肩こり・腰痛予防」「予防歯科」「ICT遠隔禁煙外来」等、AIやデジタルデバイスの活用も取り入れた10本の健康増進プログラムを提供しています。

特に、質を上げること、数値を改善してもらうようなアプローチを重点的に行っています。
受診をしたけど数値がよくならなかった方に対して、自己管理の必要性を理解をしてもらう。
また事業主側にも、この点を理 理解してもらえるような働きがけが必要です。
ただ一方的にするのではなく、毎年内容をブラッシュアップし、自分からやりたいという気持ちを大事にしています。「来年リベンジします」などと自分から動きを起こせるような働きかけをしているところです。

言われるだけでは気分がよいものではないので、自分から改善をするために工夫をする。
その気持ちを引き出すため、「保健指導」ではなく、「UCHIDAからだチェンジプログラム」という名前に変えました。
「指導」という上から目線でなく、受け身ではなく自ら「変えたい」という気持ちで積極的に取り組んでもらえるような働きかけを常に意識しています。

なぜポケットセラピストを導入したのでしょうか?

当健保は、健保組合としては珍しいケースですが、グループ企業からの委託を受けて、健保保健師がストレスチェックの共同実施者となっています。
2017年度の結果では、全体での有訴率は頭痛15.9%、肩こり41.9%、腰痛26%、目の疲れ44.6%であり、高ストレス者では、頭痛65.9%、肩こり80.5%、腰痛61.4%、目の疲れ86.8%と、とくに頭痛、腰痛の割合が激増することがわかりました。

日常的に肩こり・目の疲れを感じている人が半数近くいることも驚きでしたが、さらに高ストレス者でその割合が増すということがわかり、社員の労働生産性を改善するうえで、痛みの改善という切り口からアプローチすることに大きな意義を見出し、その具体的な方法としてポケットセラピストを導入しました。
エビデンスに基づいた事業をスピーディーに展開している御社を高く評価しています。

ポケットセラピスト導入により期待していること

期待している点は、「痛みを改善することで、活き活きと生活できる社員の増加」と「利用者のセルフケア能力の向上」です。

実際にアドバイスによって、「デスクトップの位置を変えるだけで頭痛が軽減した」、「腰痛で出社に不安があったが病院に行かなくても痛みから解放された」という従業員の声が多数聞こえてきています。
私も実際にポケットセラピストを利用しているのですが、ぎっくり腰になりそうな時に、効果的な運動など動画付きでアドバイスをもらうことができ、出張中に悪化することなく本当に助かりました。
毎日使っている人もおり、活動量が増加したというデータも得られています。

また、実際に生産性も18%上がっております。
肩こりなどの痛みの程度も、36%から15.1%に下がり、驚くことに頭痛にも効果がでているといったデータが得られています。
ここは大きなポイントです。

労働生産性の評価を行い、企業側へ共にアプローチすることで、さらに利用者を増やせると思います。
健保組合では、経営層向けのアプローチがあまり得意ではないので、効果を数値化し、経営という視点での「企業人事・管理者向けの情報提供サービス」があるといいかもしれません。

今後の保健事業含め加入者の健康増進施策の方針について

当グループは、健康管理は健保が率先してきた風土があるので、企業としての健康管理体制の構築に課題を感じています。コラボヘルス体制を強化し、企業と健保での協創を実現したいと考えています。
受給者さん加入者本位で今後すすめられるようにしたい。
何を困っているのかを自分で考えるようにしてもらって、お互い対等にしていきたいです。
一人一人の健康のために企業と健保で協力して取り組んでいきたいと思っています。
どのような効果があるのか、何を重点的にやっていくのかといったことをしっかりと考え、健保がやっていることを、加入者に喜んでもらうことが目標です。

最後に加入者の皆様に向けてのメッセージを一言ずつお願いします。

健康リテラシー情報をどう提供するかを考えています。
痛みは、頑張りだけでなく生きる力を失ってしまうこともある。
この痛みをなくすことで、いきいきと暮らせることにつなげてほしい。
さらに企業としても生産性につながる。
皆様が健康に過ごせるようにしていきたいと考えています。

健保は加入者の健康を守る事が必要であり、健康になるための情報提供や施策を行っています。
しかしまだ行き渡ってない状況であり、もっと加入者に内容を伝えていき、積極的に参加してもらいたいです。病気になった方はわかりやすいと思うが、そうでない方はそこまで健保や健康について考えていない人がほとんどだと思うので、多く人の健康につながる動きをしたいです。
「元気で活き活きと」が幸せの元となります。
起きてから寝るまでどのように自分たちでヘルスケアをするかです。
年齢に関係なくいつまでも健康でいるために、加入者とともに実践していきたい。

健保のデータを集計・統計の業務をしている目の前で、具合が悪くなり亡くなられる方を見てきたので、ひとりでも多くの方に元気で活き活きしていただくために、加入者の皆さんが自ら進んで健康づくりできるよう健康リテラシーの向上と環境の整備、参加意欲をかきたてる保健事業の提案をすすめていきたいです。
セルフケアは重要ですが、風土や環境づくりも必要で、みんなで取り組んでいきたいです。
理想の暮らしを叶えるための健康、その健康づくりに健保の保健事業をもっと多くの方に活用いただけるよう、周知していきたいと思います。

「痛み」は人が「生きよう」「がんばろう」という気持ちを奪ってしまいます。
全ての人が痛みをこじらせることなく、元気に活き活きと暮らせることは、企業の生産性向上にもつながります。
さらには人生100年、健保を卒業されたあとも、皆さんがいつまでも元気に、健やかに暮らしていけることを願っています。

マスコットキャラクター「ウチダケンコーかめン」